THIS IS VIDEO CLASH "RETURNS"--80年代洋楽PVの記録--

PVをメインに取り上げた80年代洋楽の記録です。2000年頃のアーカイヴをtumblrに移植したものをさらにこちらへ。

I'd Wanna Know/REO SPEEDWAGON~逆らえない音楽の本質


REO Speedwagon "I Do' Wanna Know"

 

REOスピードワゴンと当時の自分の音楽世界というと、かなり意外がられるけど、まあ何もドゥルッテイ・コラムとか、オレンジジュースとか、ディス・モータル・コイルとか、コクトー・ツインズとか、そんなのしか聴いてなかったわけじゃない。

 

ヒットチャートは常に気にしていたし、ヒート・イズ・オンだって、ヒューマン・タッチだって聴いてたし、踊るリッツの夜とか、ロック・ミー・アマデウスだって好きだった。

 

とはいえ、REOスピードワゴンをしみじみいいなぁと思ったのは、この曲のPVありきだったかもしれない。

 

なんていうか、このお祭り感、すごくいいよね。音楽が小難しいものではなくて、楽しいものだと思い出させてくれる気がする。

 

ロマンティックスのときに書いたけど、イギリス(欧州)の音楽はブレインミュージック、アメリカの音楽はボディミュージック、そして自分は何も考えずに音楽を聴くことは意味がないと思う。


後者のように体さえ動いて汗をかけばいいというのは、音楽ではない。
そんなことを公言していたわりには、音楽の本質のひとつとして、楽しむことには本能では逆らえていなかったのだ。

 


 

 

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Talking in Your Sleep/ROMANTICS, THE~バリバリのミラクル・オブ・ロケンロール

パンクロックが流行り、廃れ、そしてテクノポップがおしゃれで、ニューロマンティックのムーヴメントに酔う。


そんな時代を過ぎても、ロックンロールは生きていた。ある場所では時代が止まったかのように、音楽はロックだった。
それは“俺”の苦手なアメリカの一面だった。

 

イギリスはブレインミュージック、アメリカはボディミュージック。
考えることに価値を見つけていた、そのことに縋っていたあの頃の自分には、シンプルで体を使って表現するだけにしか思えない、This is Rock'n rollに漂う汗のにおいは邪魔でしかなかった。

 


The Romantics - Talking in Your Sleep

 

 

その中でも格別のアメリカ臭を漂わせていたロマンティックス。

そんなロマンティックスの奇跡の一撃がこの曲だった。

 

アルバム一枚聴いてもすべて同じ曲に聴こえる、田舎のカレッジロックバンドようなグループなのに、なぜかこの曲だけは都会の夜の妖しさを感じさせる、

まさにロマンティックな一曲になっている。青を基調にしたPVに、黒いつなぎをまとった彼らが見事にはまっている。

 

もちろんそれはこの曲だけの奇跡だった。

 

洗練されたこのPVもよく見れば、メンバーの髪型は時代錯誤なリーゼント。

 


The Romantics - One In A Million


The Romantics - Open Your Door American Bandstand


The Romantics # "Rock You up"(Original.1984 VHS)

 

案の定、次のシングルはいわゆるバリバリのロケンロールで、その次はもうシングルカットするにもどれでもいいような、同じ曲調のカードしか、彼らの手元には残されていなかった。

 

In Heat

In Heat

 

 

 

 

Under The Gun/FACE TO FACE~生々しい戦場を駆け抜けた一輪の花


Face to Face - Under the Gun

魂とはどこにあるのだろう?
我々は何のために生きているのだろう?
そもそも命は守られているのだろうか?

 

このPVの見せる痛みはおそらく、第二次大戦やベトナムと無関係ではないだろう。
その生なましい現場に配置したLAURIEの美しいこと。
そしてライヴシーンの美しいこと。

 

始まりと終わりのドラムも映像的に素晴らしいし、このバンドの本来の田舎の大学生的な魅力とはまったく別の部分を掘り起こした、音のアーサー・ベイカー、映像の……誰なんだろう……素晴らしいと思う。

 

そして何よりも、その素材たり得た彼女彼ら、すごいと思う。
何かもっといい形で、長く続く形であればよりよかったのだけど、10-9-8とこの曲だけで輝いたからこそ、今でもカッコいいのかもしれないと思うとちょっと複雑な気にもなる。

 

 

 

Face to Face

Face to Face

 

 

10-9-8

10-9-8

 

 

Send Me An Angel/REAL LIFE~南半球に広がる夢幻の世界

YMOの影響は世界にどこまで広がっただろう。
パンクのあとに出てきた、ニューロマンティックに人は現実のきな臭さを忘れて酔った。
その中に当時のテクノと融合した一派があった。

 

DURAN DURANVISAGEULTRAVOX(要はMIDGE URE)、HUMAN LEAGUE……。


そんな中、オーストラリアからも明らかに、その影響を感じる曲が世界に響いた。
MEN AT WORKにもRICK SPRINGFIELDにもなかった、幻惑されるようなシンセの音と、もの悲しいようでいてロマンティックなメロディラインは、YMOとニューロマの見事な融合だった。

 


Real Life - Send Me An Angel

PVもそのフワフワしたどこか幻想的な曲調に合わせてうまく作られている。
サビのシンセドラムの音に合わせた、ハンドクラップのアクションも美しく決まっている。

 


Real Life - Catch Me I'm Falling

セカンドシングルにイメチェンを図ったのか、妙にポップで明るい曲を選んでしまったのが、悔やまれる。
この曲がビルボードのトップ10まで行ったのならともかく、そうでなかった以上あくまで足がかりとして、もう一曲、この路線で行ってほしかった。

 

 

Heartland

Heartland

 

 

 

Best of Real Life: Send Me An Angel

Best of Real Life: Send Me An Angel

 

 

 

Send Me An Angel

Send Me An Angel

 

 

 

 

The Edge of Heaven/WHAM!~世界のアイドルの集大成

WHAM!のラストシングルのPVはところどころにこれまでのPVのシーンを盛り込みながら、ライヴ映像で勝負というよくできたもの。


Wham! - The Edge of Heaven

実にうまく仕上げられている。

 

ちなみにギターはたぶんDAVID AUSTIN。


TURN TO GOLD - DAVID AUSTIN

 

そして、当然といえば当然のように、Club TropicanaのPVシーンにはD.C. LEE姐さんが。


Wham! - Club Tropicana

なにげに贅沢に仕上がっている。

 

 

 

 

 

 

Dynamite/JERMAINE JACKSON~躍るイルゼとイルマの亡霊

弟MICHAELが世界中を熱狂させるスターになったのを、兄はどう見ていただろう。
そんな環境の中でリリースされたJERMAINEのソロアルバムからカットされたこの曲。

 


Dynamite by Jermaine Jackson

 

抑えたトーンから入るVo.、闇の時間帯と閉塞の舞台。
そんな設定に不似合いな目にまぶしい衣装。
ダンスは文句なくかっこいい。曲も素晴らしい。

 

特に間奏の間のかけあいのようなダンスとメロディの組み合わせはしびれるくらいカッコいい。

 

そしてステレオタイプな、おそらくイルゼ・コッホを意識した女性看守とそれを取り巻く色っぽいお姉ちゃんたちとのセクシーなからみ。
こんなあからさまな映像がオンエアできたことにはイルマもびっくりだ。

 

ともあれ、曲に合わせたPVの完成度の高さは、弟のヒット曲並みに評価されていいはず。
だがどうしてもぬぐえないのは、便乗感。

 

もしこの曲ではなくDo What You Doのほうにもっと脚光が当たっていれば、違ったかもしれないが、PVがミュージックシーンを席巻していたあの時代のこと。

 


Jermaine Jackson - Do What You Do


やはりこの曲が残った。

 

 

Sweet, Sweet Baby/LONE JUSTUCE~トワイライト・ゾーン・イン・ショウビズ

LONE JUSTUCEは大きなヒットには恵まれなかった。
記憶に残っているのは、Vo.のMARIA McKEEがやたらかわいかったことくらいだろう。

 


Lone Justice - Sweet, Sweet Baby (I'm Falling)

 

BOB DYLANが曲を提供していたり、そのストレートで疾走感のある、ザ・ロックンロールは大物ミュージシャンたちを虜にしていたのかもしれない。
ただ、それもMARIAのルックスがなければどうだっただろうか。

 


Lone Justice - Ways To Be Wicked (1985)

 

というのもこのバンド、デビュー時点で彼女以外のメンバーはごっそりチェンジしているらしいからだ。
これがいわゆる大人のショウビズの世界というやつか。

 

日本でもイカ天で合格したバンドがメジャーデビューしてみたら、番組オーディションの時とはヴォーカル以外全員入れ替わっていたなんて話もあった。


なんだか、自分しか気づいていなのに、確実に全員他人にすり替わってるなんて、まるでトワイライトゾーンのエピソードのようだ。

 

今聴くとこの曲なんかシンプルで、例えるなら化粧しすぎた女の子より、ジーンズとティーシャツ、すっぴん女子のほうが、男の目線にはまぶしく見えるときがあるのと似た魅力を感じる。


実際PVはまさにそんな作りで、下手なドラマ仕立てにしたものより、彼女の魅力が伝わってくる。


ただ伝わってくるのがMARIAだけということが、このバンドのすべてを物語っている。
それがNENAとの違いだろう。

 

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