Electric Youth/DEBBY GIBSON~既視感が生む80sのダイジェスト
Debbie Gibson - "Electric Youth" (Official Music Video)
既視感満載のこのPV、ある意味で80年代前半のビルボードの総集編のような作品になっている。
たとえばファッションはMADONNA。
Madonna - Borderline (Official Music Video)
ダンスはMICHAEL JACKSON。
Michael Jackson - Beat It (Official Video)
レーザービームの演出は、OLIVIA NEWTON JOHNや、
Olivia Newton John - Twist of fate
Frankie Goes To Hollywood - Relax (Laser Version)
廃墟で踊る舞台設定は、BILLY IDOL。
Billy Idol - Dancing With Myself
ここまで徹底されると、まだ記憶の生々しかった当時より、三十年の時を経て、80sがリバイバルする今の時代こそ、似つかわしい気がする。
曲もなんとも甘酸っぱくキャッチーなメロディのダンスミュージックで、いかにも日本人好み。
そのわりに、CMやテレビのBGMにイマイチこないのは、なぜだろう。
そんなことを考えていて、ふと思ったのは……。
なんとなくこれを名曲だったと公言すると、そのかたわらで聴いていたICICLE WORKSなんかまで飲み込みそうなミーハー洋楽ファンに認定されてしまいそうな感じが、当時トンガったロックファンだったはずの自分に対して反する感じで、仕方なく記憶の中に封印してしまってるのではないだろうか。
でも曲は確かにいい。
メロディのレベルは高い。
ただやっぱり、このへん
まで思い出させるあたりが、ロック史に残る名曲というより、なんだかうまく一発あてたアイドルタレントのドサクサ感があるのだと思う。
なんつーか、あの首のインド映画みたいなふにゃふにゃ感が、ね。
グレイテスト・ヒッツ [ デビー・ギブソン ]
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Drive/THE CARS~コミックが同期させたもうひとつの青春
The Cars - Drive (OFFICIAL MUSIC VIDEO)
CIPHERと聞いて、ああ、と思う。
青春の何たるかを思い出させる懐かしいコミックだ。
愛蔵版 CIPHER 【電子限定カラー完全収録版】1【電子書籍】[ 成田美名子 ]
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僕たちの青春がこんな場所で、こんなふうにならないのだろうか。
それは生まれた国が違うから、環境が違うからありえない。
僕はそんな風に思っていた。
美しい漫画で、その中でも印象的だったのは、当時の音楽が作品にマッチして登場してくるところだった。
舞台がアメリカで、当時ビルボードの情報は常に日本に入ってくる時代だったからこそ、音楽というパーツが、遠い場所に投影されたもうひとつの青春にリアリティを持たせてくれたのだ。
CARSにはふたりのヴォーカリストがいるが、どちらかというと目立たないほうのBENJAMINがヴォーカルを取ったこの曲が、ある意味で今も残るスタンダードになっているのは面白い。
PVの中で泣き、笑い、生きている女性が美しく描かれ、そしてフリーズするメンバーの存在が意味深い。
モノトーンから入り、いつの間にかカラーになっている自然な色使いの美しさ。
あの日読んだコミックの中で、僕たちが胸をつまらせたシーンで流れるこの曲は、音のない絵の世界でもたしかに僕たちにその演奏を聴かせてくれていた。
僕たちの青春は遠い空の下とその瞬間、同期していたのだ。
ファイヴ・オリジナル・アルバムズ(5CD) [ ザ・カーズ ]
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グレイテスト・ヒッツ [輸入盤][CD] / ザ・カーズ
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Happy Birthday/ALTERED IMAGES~僕たちの幸せ
Altered Images - Happy Birthday [Top Of The Pops 1981]
シンプルな歌詞、シンプルな曲、どうってことない一曲だといってしまえばそれまでだけど、この曲はヒットしたし、今でも思い出すことがある。
ALTERED IMAGES - HAPPY BIRTHDAY (TOP OF THE POPS 1981)
それはシンプルだからこそのインパクト、ストレートだからこその忘れ難さなのだろう。
Altered Images - Happy birthday 1981
ボーカルのクレアの特徴的な声が、ネオアコ的なアレンジでポップなこの曲にぴったりとはまっている。
おなじ質の声を男性に当てはめると、あのCAVA CAVAということになるのだろうが、チャートリアクションでALTERED IMAGESが勝ったのは、ヴォーカルが女の子だからというだけではなく、ひとつ違えばまるで童謡のようなこの曲のシンプルさゆえではないだろうか。
Clare Grogan's Altered Images - Happy Birthday
僕たちが幸せを祝う、君の誕生日について思い出す一曲。
Happy Birthday!
- アーティスト: Altered Images
- 出版社/メーカー: Music Club Deluxe
- 発売日: 2007/07/17
- メディア: CD
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I Don't Like Mondays/THE BOOMTOWN RATS~月曜は嫌いだけどこの世界は好きなの
「月曜日は嫌いなの」
The Boomtown Rats - I Don't Like Mondays
Brenda Ann Spencerの事件は、今となってはさらにそれ以上の銃による悲劇を生みだしたアメリカ社会においては、今や決して大きな傷跡ではないのかもしれない。
しかしその不条理すぎる動機、若い殺人者という史実は、ある曲の要素として世に姿を残している。
実際には1979年のヒット曲であるこの曲が、ふたたび脚光を浴びたのは1980年代、エチオピア飢饉をきっかけにしたあるプロジェクトだった。
Do they Know it's Christmas ~ Band Aid 1984
BAND AID。
80年代洋楽を聴いてきたものにとって、その名は永遠に心に刻まれているだろう。
その発起人となり、のちにベル平和賞の候補にもなったのが、THE BOOMTOWN RATSのBOB GELDOFだった。
ドラマティックなイントロから盛り上がっていくスケールの大きな一曲、そして80年代のPV全盛期につながる作りこまれたビデオ。
残るべくして残った名曲だったが、このハードルを越えることができなかったのは、その後のバンドの実績が語っている。
LIVE.AID.1985.Boomtown Rats I Don't Like Mondays
ライヴエイドでBOBを包む、この大歓声を聞け。
あのとき、僕たちはこれからの世界を支える、若き感性だったのだ。
音楽の世界において、BOBは決してトップアーティストに上り詰めたとはいえない。
そしてBOOMTOWN RATSも、結果的にトップグループにはなりえなかった。
だが彼らは僕たちの心に何かを残した。
「月曜は嫌いなの」
この言葉は、社会に出た誰しもが、一度はつぶやいたことがあるだろう。
I Don't Like Mondays, but we love this world.
哀愁のマンデイ [ ザ・ブームタウン・ラッツ ]
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New Year's Day/U2~新年に思い出す若き革命の信念
A Happy New Year!
U2というとこの時代の怒れる若者的な印象がいまだに強く、BONOがなんだかひげ面のゲイっぽいおじさんになって、おしゃれなダンスミュージックに手を染めたなんてピンとこない。
血の日曜日を叫び、革命を支持するかのようなこの頃の彼らは美しい。
まっすぐな青年時代の血の叫び。
それが歴史上、いくつの国を変え、いく人の人を救ってきただろうか。
ときには理想は屈し、ときにはその若き命は花と散っただろう。
それでも僕たちは、この新年の叫びに新年を見たのだ。
PVはBIG COUNTRYのWonderlandと並ぶ、雪中撮影の珠玉の作品。
あと加えるならイメージフィルムとして雪景色の挿入されるBUNNYMENのThe Cutterが三大雪中PVだ。
Echo And The Bunnymen - The Cutter HD
A Happy New Year for our New year's day!!
WAR(闘) [ U2 ]
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Jingle Bell Rock/DARYL HALL JOHN OATES~メリークリスマス!あの日の自分!
Daryl Hall & John Oates - Jingle Bell Rock (Daryl's Version - Video)
当時クリスマスシーズンのMTVで一度だけ流されたこの曲。
シーズンがシーズンだけに面白いなと思ったが数か月たって録画したものを見ると、なんだこりゃって感じだった。
でも今になってよく見ると楽しいな。
Daryl Hall & John Oates - Jingle Bell Rock (John's Version - Video)
そのとき見たのは、当然のようにDARYL HALLバージョンで、JOHNのバージョンがあるなんて知らなかったけど、ふたりそれぞれのバージョンを作ってるのってなんかいいよなあと思う。
曲自体はその後、たまたま買ったVENTURESのアルバムに収録されていたため、カバー曲だったと知ることになる。
まあ、そんなことはどうでもいい。
クリスマスはいくつになっても、あの頃のわくわくする感覚を思い起こさせてくれるのだから。
メリークリスマス。
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ベスト・オブ・ダリル・ホール&ジョン・オーツ [ ダリル・ホール&ジョン・オーツ ]
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Twist Of Fate/OLIVIA NEWTON JOHN~法廷で歌われた歌姫の本気
Olivia Newton John - Twist of fate
あまりに美しいOLIVIAのブロンドをこんなにも輝いて見せたPVがかつてあっただろうか。
Physicalで若くてセクシーな魅力を見せた彼女が、大人の女性として音楽ファンの前に帰ってきた。
黒そして水という、すべてを飲み込む要素を背景に、OLIVIAのブロンドの輝きを最大限活かした美の極致がこのフィルムに詰まっている。
法廷劇に仕立て上げたストーリヘの合間合間に、もともとこの曲の出自でもある、OLIVIA主演の映画「セカンドチャンス」のフィルムが上手く挿し込まれ、映画のサントラの曲でありながら、ひとりのシンガーのPVとして成り立たせているその完成度は高い。
映画のシーンだけでつないだ、オマケのようなサントラ曲とは大違いだ。
最後にトラボルタが出てくるのも、このPVの本気さを伝える大事なパーツ。
それにしてもOLIVIAは美しく、トラボルタはあごが割れてる。
それにしても、この数年後に見たトラボルタがメタボってたのはびっくりしたな。
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