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THIS IS VIDEO CLASH "RETURNS"--80年代洋楽PVの記録--

PVをメインに取り上げた80年代洋楽の記録です。2000年頃のアーカイヴをtumblrに移植したものをさらにこちらへ。

Break My Stride/MATTHEW WILDER~想い出のフワッフワ

MTV全盛のあの時代に、どんなヒットチャート番組でもアルバムのジャケットが映し出されていて不思議でしようがなかったけど、どうやらPV自体制作されていなかったのだと気づいたのはインターネット時代になってからだった。 Matthew Wilder - Break My Strid…

You Can't Get What You Want/JOE JACKSON~音は後から、でも傑作のライヴクリップ

ジョー・ジャクソンの音楽はクリップを必要としない。是か否か。 Joe Jackson - You Can't Get What You Want (Till You Know What You Want) たしかに、彼のルックスは当時のクリップ全盛期にわらわらと湧いて出たミュージシャン群とは違い、そこに付加価値…

Just Got Lucky/JO BOXERS~本当の「音楽」は犬にも幸運を運ぶ

音楽は楽しい。 そして、その楽しさは「音」にとどまらず、ファッション、アクション、シチュエーション、音楽を「演る」すべてに表れる。 Jo Boxers - Just Got Lucky それが、ジョー・ボクサーズのこのクリップ一本に集約された、音楽の素晴らしさだ。 指…

Planet Earth/DURAN DURAN~ちょっとだけ特別なヒラヒラ

デュラン・デュランといえば、当時の洋楽雑誌でいつも比較されていた相手がスパンダー・バレエだった、といって今信じてもらえるだろうか。 洋楽ブームが最盛期を迎えたころ、デュランはUNION OF THE SNAKEでスパンダーはGOLDだったのだから、「え? 比較対…

Baby Come Back/BILLY RANKIN~華々しくそっと咲いたクールな一輪

ナザレスのギタリストといってもどれくらいピンとくるのかちょっとよくわからない。 というのもビリーが古豪ナザレスに関わるのは、1981年以降で、彼のソロアルバムGrowin' Up Too Fastからのシングルカット、Baby Come Bacが日本のMTVで流れたのは1983年。 …

80年代洋楽カラオケについての考察

これだけ80年代洋楽をカラオケで歌える時代がくるとは。 歌い続けてみると(続けてるってところが無駄にポイント)、80年代洋楽カラオケで失敗する「あるある」みたいなネタが出来てくるな……。 せっかくなんで洗い出してみよう! (何のために?) 1. キーが…

Eye Talk/FASHION~場末の踊り子の場末の恋人

安っぽい場末のディスコに、安っぽい役者、安っぽいドラマ。 Fashion - Eye Talk (Alan Darby on vocals) そんなチープさの中に、このクリップの完成度の高さがある。 ハイトーンなヴォーカルだが、この手の声によくある繊細さや痛みを伝える種類の力を持っ…

Hands Tied/SCANDAL~田舎のお姉ちゃん、都会の女になる!

パティ・スマイスは田舎のお姉ちゃんだった。 Scandal, Patty Smyth - Goodbye To You そんな彼女の心と自意識を都会に連れ出したのは、たまたま点けたMTVから流れる、クリップの中のシンディ・ローパーの姿だった。 Cyndi Lauper - Girls Just Want To Have…

Wonderland/BIG COUNTRY~この雄たけびよ、祖国に届け!

Big Country - Wonderland このクリップはU2「ニューイヤーズ・デイ」とともに、雪中演奏クリップの傑作である。 New Year's Day U2 Video このクリップと「ニューイヤーズ・デイ」のクリップの間に、お互いなんらかの影響があったかどうかは定かではないが…

Poison Arrow/ABC~本人だけが気付いていなかったイロモノの資質

ポイズン・アロウは名曲だ。 ABC - Poison Arrow この曲は間奏の中途半端なセリフを除けば、ABC中で、もっともシリアスでドラマティックな名曲である。そのドラマテイックさは、同じメロディをバラードにアレンジした、「テーマ・オブ・マントラップ」を聴け…

Shout/TEARS FOR FEARS~ガラスの少年たちの叫び声

叫ベ。叫べ。すべて吐き出させてあげる。 そんなものなくたって僕にはできる。 Tears for Fears - Shout (HD) おいで。君に言ってるんだ。おいで この言葉は誰に話しかけたものだろう。それは自ら、そして彼らの「チェンジ」「ペイル・シェルター」を愛した…

I.O.U./Freeez~マシンメイド・ミュージック・ウィズ・マン・マシーン

Freeez - IOU このクリップ全編を彩る、今となっては古びたテクノ系ダンス。 それがすべての魅力だろう。 そして、その古さはブレイクダンスのヒットスタイルのウェイヴだけでなく、当時はストリートに持ち出された巨大なラジカセにも見られる。 ヴォーカル…

So Tired/HAIRCUT100~素直な表現の功罪

バンドのフロントマンが脱退するということは、一大事である。リマールが抜けたカジャ・グー・グーは、よりテクニカルな方向にレベルアップしたが、「トゥー・シャイ」を愛したファン層はそれについていくことが出来なかった。 ヘアカット100が失ったのは、…

Lies/THOMPSON TWINS~ドグラ・マグラな手錠

シュール、不条理、吹き荒れるナンセンスの嵐。 Thompson Twins - Lies 画面下でリズムをとるように動く三人の足の視界に、メンバーの演じる不思議な人物が現れては消え、消えては現れする。 この足は誰なのか。なぜ三人並んで横たわっているのか。 エンディ…

ティアーズ・フォー・フィアーズ TEARS FOR FEARS

恐れのために流す涙。繊細で、ガラスのような心の中に秘めた涙は、いつ流れ出すのだろう。そんな、ギリギリのところにティアーズ・フォー・フィアーズがいた。 Mad World by Tears For Fears Original HQ 1983 ファーストアルバム「ザ・ハーティング」からシ…

(Feels Like) Heaven/FICTION FACTRY~ストレートでチープな天国

タイトルの「ヘヴン」からあまりに簡単に連想できる天使。 天使のような少女をモチーフに、教会で撮影した安易でチープ、しかしながら曲の雰囲気を見事にビジュアルに変えた一本。 Fiction Factory - (Feels Like) Heaven ところどころ、スイングするような…

エービーシー ABC

それにしてもこのグループ名、それまでにどうして同名の先行グループがいなかったのかというくらいに簡潔で立派だ。舌をかみそうなオーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダークとか、クリップが放映された時、曲名とグループ名が入れ替わっていたフラ…

ビッグ・カントリー BIG COUNTRY

「世界にロックバンドは4つしかない。U2とシンプルマインズ、エコー・アンド・ザ・バニーメン、そして俺たちさ」 スチュアート・アダムソンの言葉通り、ビッグ・カントリーは骨のあるロックを聴かせてくれた。 Big Country - In A Big Country デビューアル…

ニュー・オーダー NEW ORDER

あの頃のニュー・オーダーのヴィジュアル面を語ると、二人の男に行きつく。 少年のようなバーナード・サムナー(バーニー)と、ワイルドなルックスのピーター・フック(フッキー)だ。 New Order- Blue Monday (PFD Tokyo 1985) イアン・カーティスの衝撃的…

I Can Dream About You/DAN HARTMAN~忍法吹き替えの術~

彼の歌声を聞き、このクリップを見て、ダン・ハートマンは小林克也みたいな感じの黒人だ! と思った人は数多いだろう。 I Can Dream About You [Official Music Video] The Sorels (Dan Hartman) 誰がなんと言おうと、このクリップは傑作だ。 実際のダンは白…

The Love Cats/CURE, THE~捨て猫の集まる死臭のない町 

まさか、キュアーがこんなアプローチをしようとは、「ポルノグラフィ」を聴いていたファンは夢にも思わなかったことだろう。 The Cure - The Lovecats しかも、ロバート・スミスがこんなに明るいオトコだったなんて。 それまでの、陰鬱なイメージではなく、…

ザ・ロータス・イーターズ LOTUS EATERS

青春にはその時代にしかない共存の仕方がある。 「青い」「美しい」「爽やか」「痛い」「清い」「透き通る」「傷」。ういったキーワードの中でも相容れないふたつが共存するのが、青春であり思春期なのだ。 たとえば「美しい痛み」、「透き通る傷」。 痛みは…

Where's Romeo/CAVA CAVA~よい子のみんな~、げんきかなぁ~?

声は偉大な武器になる。 シーナ・イーストンのコケティッシュな高音を聴け、アニー・レノックスのソウルフルな声を聞け。 しかし、その武器は両刃の剣である。 Cava Cava - Where's Romeo? サヴァ・サヴァと聞いて思い出せない人も、もしかしたら、ヴォーカ…

Young At Heart/BLUEBELLS, THE~青春を映し出すロードムービー

当時のクリップにはいくつかのパターンがあって、大仰なドラマ仕立てとスタジオライヴの主流二派に継いで、こういうロードムービー仕立てのものも作られていた。 このクリップはその中でも珠玉のでき。 The Bluebells - Young At Heart (1984) (HD) メンバー…

Forgive And Forget/BLUE ZOO~飛び出せアイドルバンド! そして、消えろ!

こういうバンドは当時苦手だった。 それなりに音楽性の高さは見られるのに、プロデューサーの「こうすれば売れるよ」みたいなアイデアに安易に乗っかって、アイドルバンドとして飛び出してくる、有象無象の集団。 当時の心に響かなかったばかりか、今も心に…

Hear It In The Night / ROMAN HOLLIDAY ~サラバ、ハリキリボーイ~

ピンクのジャケット、レザーパンツ、整った髪形、耳にきらめくピアス。ローマン・ホリデイはこの瞬間、全てを失った。 Roman Holiday - Hear In The Night 楽曲は悪くない。 しかし、世間がローマン・ホリデイに求めたものはこのクリップにはまったく残って…

ローマン・ホリデイ ROMAN HOLLIDAY

小学校の時、クラスで一番モテモテだった〇〇ちゃんが、大人になって再会したら全然イケてなかったという経験はないだろうか。 子役時代、ものすごく可愛くて日本中の茶の間のアイドルだったタレントが、大人になったらイケてなくて、人気が下降していくこと…

Hurt / RE-FLEX ~痛覚のない疼痛

アルバムとクリップで異なるイントロになっているが、曲としては当時の「ピコパコ感」満載のアルバムのイントロの方が、この曲にはふさわしい。 Re-Flex - Hurt しかし、グループの色が出ているのはどちらかといわれれば、シンセの和音から入って、いきなり…

The Politics of Dancing/RE-FLEX ~人工、密室、無機 ~マン・メイド・ビート

電波塔から発信される謎の電波。音は街に飛び火し、謎のひげ男はその街をさすらう指名手配者。 Re Flex - The Politics Of Dancing (1982) Remix 一瞬スリリングなドラマ的展開を期待するクリップだが、本当の魅力はそんな陳腐なところにはない。 このクリッ…

カジャ・グー・グー KAJA GOO GOO

カジャ・グー・グーからリマールの脱退が発表された時、「リマールがコケる!」そう思った。 あまりに突然の発表だったし、ベーシストのニック・ベッグスのテクニックとクリップでのアクションにほれ込んでこのグループを評価していたファンには、リマールは…

STILL ON FIRE / AZTEC CAMERA~シニカル・ヒステリー・アワー~

Aztec Camera - Still on Fire この曲を歌う、ロディ・フレイムの唇の動きは必見。 当時、唇といえば、スティングのトンガリくちばし(コリー・ハートはまんまコピーしていた)、ビリー・アイドルの端っこ持ち上げが双璧で、続いてカジャ・グー・グーの二代…

ザ・ポリス POLICE, THE

ポリスの最高傑作「シンクロニシティ」から20年。 The Police- "Synchronicity I" LIVE あの頃を思い出すと、音楽の主流は「歌」だった。 「歌」にはメロディあるヴォーカルがあり、メロディに乗せた歌詞があった。 いつの間にか気が付くと、音楽は「歌」で…

リ・フレックス RE-FLEX

地を這うような低音から入り、高音まで一気に突き抜けていくボーカル。バクスターのその声にからむ、無機質に刻まれるビート。テクニックの高さを感じさせる人の手による各パートの音と、そこにやっぱり無機質にからみつく不思議なビート。リ・フレックスは…

LOVE IS FULL OF WONDERFUL COLOUR/ICICLE WORKS~アメリカ行きの切符を入れるポケットの付いていない服~

Icicle Works - Love Is A Wonderful Colour このクリップを見るといつも思い出すのは、トーク・トークの「イッツ・マイ・ライフ」のクリップである。 Talk Talk - It's My Life Talk Talk - It´s My Life アイドルとして売りたいプロデューサーと、アーティ…

DON'T YOU WANT ME/HUMAN LEAGUE~逆ギレ、ヒロシのリフレイン~

♪馬鹿いってんじゃないよ~、お前と俺は~♪ ヒロシ&キーボー 3年目の浮気 「三年目の浮気」は、結婚して三年目に浮気がばれた亭主が妻に三行半を突きつけられるさまをデュエットで歌った、秀逸なコミック演歌である。 そして、「ドント・ユー・ウォント・…

ヒューマン・リーグ HUMAN LEAGUE

ぶわっはっはっはっは。 今となってはどちらを笑うべきかわからんが、フィリップ・オーキーの迷走ぶりは爆笑に値する。80年代前半の彼は、二人いるといってもいいくらいだ。 一人はポップスター、フィリップ・オーキー。 もう一人は反戦家、フィリップ・オー…

NEW SONG/HOWARD JONES~新しい歌に載せた新しい自分~

最初にこの曲を聞いたため、ハワード・ジョーンズの音楽、ビジュアルに「カワイイ」とか「ポップ」「軽快」というイメージを持つ人は多いだろう。 だが、彼の本来の持ち味は「ホワット・イズ・ラヴ?」と問い掛ける、内向きの疑問や焦燥の方であったのではな…

RELAX / FRANKIE GOES TO HOLLYWOOD(BODDU DOUBLE) ~B級ボーナスクリップ~

多分、日本で最もオンエア回数の少ないクリップがこのバージョンだろう。 Frankie goes to hollywood Relax (Body Double) ヒッチコックへのオマージュとも、単なる「裏窓」と「めまい」のパクリともコラボとも言えそうな、デ・パルマ監督の映画「ボディ・ダ…

RELAX / FRANKIE GOES TO HOLLYWOOD(STADIO LIVE)~セックスよりも刺激的な欺瞞~

「リラックスしてごらん、咥えてほしい時は」 「リラックスしてごらん、イキたい時は」 たしかに歌詞は刺激的だが、「come」にそんな意味があると知らなかった自分にとって、この曲の歌詞に刺激を受けた記憶はない。むしろ、刺激的だったのはこのクリップで…

ハワード・ジョーンズ HOWARD JONES

ハワード・ジョーンズはアイドルだった。 Howard Jones - What Is Love 音楽性、実力、そういう面で捉えると物議をかもしだすかもしれない。しかし、当時の日本の音楽シーンにおいては、少なくともそうだった。ミーハー系の音楽雑誌には「ハワちゃん」「ハワ…

フェイス・トゥ・フェイス FACE TO FACE

どうってことない連中が何の気なしに集まってバンドを始めた。それは、バンドでなくてもよかったのかもしれない。 9人集まれば野球が出来るし、11人集まればサッカーも出来る。だが集まったのは5人。みんな、楽器が出来た。そして、そのうち一人は可愛い女…

クラウス・ノミ KLAUS NOMI

クラウス・ノミはロボットだった。 Klaus Nomi - Total Eclipse 1981 Live Video HD 失敗した鉄腕アトムのようなその髪型、巨大ハンガーにかけられたようないかり肩の衣装、デカすぎる蝶ネクタイ。まるでマンガの世界から飛び出したようなスタイルである。 …

I Feel Love/BRONSKI BEAT and MARC ALMOND~道化師の化粧の奥~

「スモールタウンボーイ」での登場以降、シリアスな雰囲気をクリップにも展開しつづけたブロンスキ。 ここで突如、弾け飛んだかのような軽快なコメディを見せたのが、このクリップである。 しかも、先行したアルバムのヴァージョンとは異なり、ヴォーカルは…

プロンスキ・ビート BRONSKI BEAT

はじめてブロンスキを知ったとき、ジミのファルセットヴォイスに込められた、溢れ出すような、それでいて、けっして「動」ではない「静」の魅力に激しく吸い寄せられた自分を思い出す。 その一方で、ジョンがヴォーカルに据えられたジミ脱退後のブロンスキの…

アイシクル・ワークス ICICLE WORKS

「ウイスパー・トゥ・ア・スクリーム(バーズ・フライ)」のクリップは、なぜ日本のMTVであれほど繰り返し、流されることになったのだろう。 Whisper To A Scream (Birds Fly) - Icicle Works たしかに、イギリス出身のグループでありながら、日本のチャ…

NO MORE WORDS/BERLIN~私たちに明日はある~

Berlin - No More Words 映画「ボニー・アンド・クライド(俺たちに明日はない)」をモチーフにしたクリップは、演奏シーンがまったくないにも関わらず、バンドの魅力を見事に伝えている。 結局、ベルリンの魅力を伝えるには、ヒロインであるテリー・ナンを…

ベルリン BERLIN

私は女神、私は芸者、私はブルームービー……。 テリー・ナンの小さな体と吐息は、「セックス・アイム・ア…(邦題:その時、私は ← 「その時」というボカし方がかえって淫猥)」という一曲とともに現れた。 Berlin - Sex (I'm A) (Official Music Video Promo)…

フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド FRANKIE GOES TO HOLLYWOOD

フランキーはハリウッドへ行く。たった一曲のメロディを口ずさみながら。 Frankie Goes To Hollywood - Relax (Restored Version) 80年代の音楽シーンを支えたアイテム、ビデオクリップと12インチシングル。そのどちらにも、大きな戦果をあげたのがリバプー…

アズテック・カメラ AZTEC CAMERA

サラサラヘアーに星がキラキラ輝く大きな瞳。そして、チャーミングなギターの音。我々の前に登場したロディ・フレイムは、王子様だった。しかしなかなかどうして、ネオアコ界の王子は一筋縄では行かなかった。 あの頃、デビューアルバム「ハイランド・ハード…