I Feel Love/BRONSKI BEAT and MARC ALMOND~道化師の化粧の奥~
「スモールタウンボーイ」での登場以降、シリアスな雰囲気をクリップにも展開しつづけたブロンスキ。
ここで突如、弾け飛んだかのような軽快なコメディを見せたのが、このクリップである。
しかも、先行したアルバムのヴァージョンとは異なり、ヴォーカルはジミと元ソフトセルのマーク・アーモンドのデュエットという、一部の好事家にはたまらないマニアックな組み合わせだ。
もちろん、私はこの「ゲテモノ的共演」に狂喜乱舞したクチである。
Bronski Beat & Marc Almond - I Feel Love
このクリップを見るかぎり、これまでの彼らが伝えてきた「怒り」も「哀しみ」もどこにも見当たらない。
画面から見えてくるのは、「ワルノリする学生のコンパ」のような風景だ。
しかし、そのバカ騒ぎに「自嘲的」なものが見えるのはなぜだろう。
彼らが「お呼びでない道化師」「場違いなコメディアン」に見えるのはなぜだろう。
彼らの作り上げた、あまりに精密な私的フィクションに私こそがだまされているのだろうか。
しかし、この演技を彼らがシニカルな視点なしにやったとはどうしても思えないのだ。
道化師がもし、化粧を落としたとき、その素顔も笑っていると誰が断言できるだろうか。
それにしてもこの2曲をメドレーにしようという感性は凄いと思う。
Donna Summer - I Feel Love (Live)
John Leyton - Johnny Remember Me
【輸入盤】BRONSKI BEAT ブロンスキー・ビート/AGE OF CONSENT (+6)(CD)
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