Where's Romeo/CAVA CAVA~よい子のみんな~、げんきかなぁ~?
声は偉大な武器になる。
シーナ・イーストンのコケティッシュな高音を聴け、アニー・レノックスのソウルフルな声を聞け。
しかし、その武器は両刃の剣である。
サヴァ・サヴァと聞いて思い出せない人も、もしかしたら、ヴォーカルのスティーヴンの声を聞いたら思い出すかもしれない。
というのも、彼の声は声変わりを忘れた少年の声、そのままだったのだ。
それも、思春期の少年の声というより、幼児の声に近いくらい、ばぶぅな声だった。
結局、サヴァ・サヴァのすべてはその声で決定付けられた。
売り出し方はアイドル、クリップもプリティ。
音楽的には、アルバム中の「バーニング・ボーイ」あたりを聴くと、当時のダンスシーンにはかなり入り込めそうな、陰影の要素ももっているのだが、いかんせん、あの声。
そして、その幼児性を強調すかのごとくアレンジされた「ロメオ」というシングルの選曲。
クリップはまるで幼児番組のようなつくりで、一体、誰を対象に売る気なのかがさっぱり疑問のサヴァ・サヴァであった。
本人たちは「うたのおにいさん」になりたかったのだろうか。