The Love Cats/CURE, THE~捨て猫の集まる死臭のない町
まさか、キュアーがこんなアプローチをしようとは、「ポルノグラフィ」を聴いていたファンは夢にも思わなかったことだろう。
しかも、ロバート・スミスがこんなに明るいオトコだったなんて。
それまでの、陰鬱なイメージではなく、楽曲自体に町や都会を感じさせる匂いの溢れたこの曲は、キュアー転換期の貴重な一曲であり、重要なクリップだ。
ただ、その町の匂いも、いきなりシャカタクのような方向に行ったりはしない。
クリップにうじゃうじゃ登場する猫のごとく、捨て猫が集まる町の匂いだ。
なんともいえない切ない倦怠感や、アングラな匂いはどこかに残っている。
なくなったのは、初期キュアーが持っていた死臭だ。
ロバート・スミスの絶対といっていいくらい、カメラを見ようとしない宙を舞う視線は一体何を見ていたのだろう。
CD/ザ・キュアー/グレイテスト・ヒッツ
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