Poison Arrow/ABC~本人だけが気付いていなかったイロモノの資質
ポイズン・アロウは名曲だ。
この曲は間奏の中途半端なセリフを除けば、ABC中で、もっともシリアスでドラマティックな名曲である。
そのドラマテイックさは、同じメロディをバラードにアレンジした、「テーマ・オブ・マントラップ」を聴けばわかる。
しかし、そのドラマティックな一曲も、クリップを見るとイロモノ以外のナニモノでもない。
フィルム「マン・トラップ」と重なるシーンが多いこのクリップは、「マン・トラップ」では見られない、完全演奏シーンが披露されるにもかかわらず、その合い間に差し挟まれるシーンがことごとく滑稽なのだ。
二番のAメロをうたう、マーティンの衣装も滑稽なら、間奏のセリフのシーンで小人にされて逃げ惑うマーティンも滑稽。
本人はシリアスにやっているこの頃、すでに彼には自分だけが知らない、イロモノの資質が咲き誇っていたのだ。
オペラグラスを目に当てて、ステージを見やる観客に扮した二役のマーティンを見よ。
あまりの顔のデカさに、オペラグラスがミニチュアに見えるではないか。
ルック・オブ・ラヴ [ ABC ]
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