Borderline/MADONNA~僕たちのマドンナ
この曲のイントロと、それに合わせたPVのスローモーションのストリートダンスのシーンはとても美しい。
マドンナがまだサイボーグになる前の話だ。ライオンのような髪型、ルーズなファッション、そしてそれを真似るティーンエイジャーたちが、Wannabeesと呼ばれ、現実のダウンタウンに溢れようとしていた。
ストーリーは下町の少女が、カメラマンに見いだされ、そして表舞台に上がる。
しかし、その世界は彼女には窮屈でしかなく、新しい恋人になったカメラマンを放り出し夢のステージを飛び降りた彼女は、自分の育った街とかつての彼氏のもとへと駆けて帰る。
そんなありがちなストーリーだが、ダウンタウン時代の彼氏とのキスシーンはあまりにも絵になっている。
ポスターの一場面のようだ。
このPVを深みのあるものにしているのは、彼女を映すフィルムの色ではないだろうか。
時系列では過去になるダウンタウンのシーンはカラーで、そのあとの出来事になるスタジオでモデルとして撮られるシーンはモノクロになっている。
我々が想起する時系列の映像表現とは逆なのだ。
それはフィルムが現実をレポートしてるのではなく、彼女の心象風景を映し出しているのだと感じさせてくれる。
最後に、彼女はカラーの世界へ帰っていく。
そこに映し出されるのは、彼女にとっての現実であるダウンタウンなのだ。
そしてカラーになったスタジオシーンの中の彼女のハミングで曲は終わる。
この曲の最後のあっという間にフェイドアウトしていくハミングは、とても贅沢。
もっと聴きたいメロディだと思う。
このあとマドンナは世界の歌姫、そして人間離れしたサイボーグへの道を歩みだす。
バーニング・アップ [ マドンナ ]
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