1984 Sex Crime/EURYTHMICS~動く彼女に感じたある種のクライム
EURYTHMICSのデビュー時はYAZOOとの類似がいわれていた。
無機質なエレポに、ソウルフルな女性ヴォーカルの乗るスタイルはたしかに似たスタイルだった。
だが、EURYTHMICSの曲を聴いてみると、ヒットしたシングルカット曲が陰鬱なムードをまとったエレポであっただけで、意外にそのソウルフルな声を活かした、ダンスチューンが多いことにも気付いた人は多いだろう。
この曲のPVのANNIEは驚くほど動いている。
Sweet Dreams(are made ofthis)では静の表現を尽くした二人が、このPVではまるでライヴのような疾走感を持って、そして明るい曲調でその姿を現したのだ。
アルバム自体がそもそも映画1984のサントラだったはずが、サントラとして採用されないといった、本人たちにとってはおそらくやりきれないような成り立ちがあった一枚だ。
その中で主題歌たるこの曲のアクティヴィティは、ドラマチックで芸術的だ。
棄てられたものであっても、必ず活かされる場所はあるのだ。
その後さらにソウルフルな方向に進み、テクノの面影を払拭したEURYTHMICSが世界的なグループになっていくのに対し、YAZOOがなんとなく消えていったのは、ちょうどニューウェイヴ系の有象無象が淘汰されていくタイミングと重なったのは、やむを得なかったのだろうか。
おそらく楽曲の方向性を決定づけるDAVEとVINCEの性格や志向の違いもあっただろう。
なにしろVINCEはライヴが厭でDEPECHE MODEを離れたような男なのだから。
初めて見た時、こんなに動くと思わなかったANNIEがこんなに動く。
そしてその整った顔立ちと、心揺すぶる声に我々はある種の罪を感じていた。
このPVの中の映画のシーンを見てると何となくStyxのKilroy Was Here も「1984」の影響受けてるんだなって気がしますね。
日本ではあの曲のせいで別のウケ方しちゃいましたが。
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