Crazy For You/MADONNA~「あなたに夢中よ」とうたってくれた日々
夢中。
熱中。
溺愛。
実際に夢の中にいては日々を暮らしてはいけないし、熱の中にいては燃えてしまう。
そして溺れてしまっても生きていけない。
それでも僕たちはあの日、あの頃、君の姿を夢を見て、君のために燃え、そして君に溺れていた。
そんな表現が日本語の世界だけでないことを知ったのは、いつだっただろう。
クレイジー、バーニング、そんな言葉を恋という感情につなげて教えてくれたのは MADONNA だったかもしれない。
彼女がまだサイボーグのように完璧な、スターという生物になる前、僕たちは彼女の姿にドキドキし、女の子たちは彼女になれるかもしれないという青春時代ならではの淡い夢を抱いていた。
ビルボードのトップに輝きながらもこの曲が、彼女のメインストリームからは外れた印象を受けるのは、当時幅を利かせていた映画用のサントラ曲だったこと、そしてそのために映画のシーンを盛り込んだPVのせいもあるかもしれない。
だけど僕たちの一番近くで彼女が最高に輝いたのは、黒い衣装にを包み、ライオンのようなブロンドを散らかし、首から下げたクロスを振り乱して「あなたに夢中よ」とうたってくれていたこの日々だった。
マドンナ/ウルトラ・マドンナ・グレイテスト・ヒッツ★全17曲★SCD-C48
|