THIS IS VIDEO CLASH "RETURNS"--80年代洋楽PVの記録--

PVをメインに取り上げた80年代洋楽の記録です。2000年頃のアーカイヴをtumblrに移植したものをさらにこちらへ。新作も加えていきます。

Sunglasses At Night/COREY HART~まぶしい夜に僕を隠すウェイファーラー


Corey Hart - Sunglasses At Night

 

サングラスというアイテムは実用性以外の部分で、僕たちの幼い目に魅力的に映った。
黒いウェイファーラーは中でも飛び切りのアイテムだった。

 

MADONNA, BILLY JOEL, IAN MCCULLOCH ...憧れのアイコンは黒いレンズの向こうからこちらを見ていた。


僕たちはそれを真似て、幼い表情をレンズの下に隠し、あの子の前で気取って見せた。

それはさぞかし滑稽な、背伸びだったことだろう。
しかしそのレンズを通すことで、僕はあの子の涙を見て胸に突き刺された剣の傷跡を隠していた。

 

サングラスを夜にかけるというのは、まったく実用性とは別の話だったが、僕たちにとってファッションアイテムだったそいつを夜でも手放すことはできなかった。
もうちょっと色が薄ければいいのに、だけどそれじゃ昼間には目が見えてしまう。
黒ければ黒いほどあの頃のサングラスには存在価値があった。

 

COREY の歌う夜にかけるサングラスは僕たちにとっては、あの日々の真実だった。
闇の中にサングラスをかけた彼が、まるで STING のようなくちばしを思わせる姿で歌う。

 

そして赤い靴。
暗闇にこれほど映える色はなかった。
どこか淫靡でどこかセクシーなその配色に僕はあの子への行き場のない憧れをぶつけたものだ。

 

そして僕がサングラスを必要としなくても、あの子の顔を見られるようになったとき。
彼女はやっぱりなんにも変わらない様子で僕の隣にいた。
最初から僕がその表情を隠そうとしていた日々に何の意味もなかったのだと思う。
それでも僕には、サングラスなしで彼女を見つめられるようになるまで、時間が必要だったのだ。

 

あの子は今もあの日と変わらない笑顔で笑ってくれている。
だけど僕はまたサングラスを手に入れて、彼女に会おうとしている。

 

齢相応に似合うようになっているといいのだけれど。

 

あの子はきっと「どうしたの?」とまた笑って、やっぱりあの日のように僕にはまぶしい存在なんだろう。

 

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