Downunder/MEN AT WORK~屈折した哀愁の大地からやってきたサーカスの一団
Men At Work - Down Under (Official Video)
MEN AT WORK という人たちはその名前に反する飄々とした姿がなんとも楽しそうでいて、その反面曲調はどこか哀愁を帯び、そしてシリアスでシニカル。
そんな不思議な食い合わせのギリギリのところが魅力だった。
このPVも映像では随分とバカをやっているのに、そのメロディはどこか物悲しく、途中で登場する出来損ないのサーカスのようなダンスとすらいえないダンスシーンになぜか妙に映える。
ちなみにDownunderが彼らの母国オーストラリアを意味していることをこの曲のヒットで知った日本人は多いだろう。
もともと大英帝国の流刑の地だったはるか南の大陸。
ダウンアンダーという呼び名にも、屈折した哀愁の上に成り立った歴史がどこか感じられないだろうか。
彼らは決して母国を卑下してはいない。
むしろおなじ英語圏でありながら、音楽的には行進だった南半球から、ワールドワイドに飛び出したのだ。
そんなモチーフを与えてくれたそこには誰よりも何よりも胸を張っていたに違いない。
しかし多くのモチーフがそうであるように、そこにもし光り輝く栄光しかなければ、それを支持する層は広がらない。
Men at Work - Down under LIVE in Dortmund
この曲が持つ哀愁、そしてそれを笑い飛ばすかのようなフィルム。
それが彼らをスターダムにのし上げたのだ。
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