THIS IS VIDEO CLASH "RETURNS"--80年代洋楽PVの記録--

PVをメインに取り上げた80年代洋楽の記録です。2000年頃のアーカイヴをtumblrに移植したものをさらにこちらへ。新作も加えていきます。

アーティスト名-D,E,F

Talk To Me/FIONA~ミニマムな分母に輝く記憶の中のシャウト系歌姫

Fiona (Flanagan) - Talk to me (HQ) アンニュイな雰囲気のイントロから入るこの曲をふと思い出した。 PVの記憶は、白いバックのいかにもお金のかかってなさそうな場所で、キュートな女の子がシャウトしているというものだったが、大すじは間違ってなかった…

The Boys Of Summer/DON HENLEY~過ぎ去った夏を思うモノクロの世界

Don Henley-Boys of Summer HD/HQ 1984+Info✔ モノクロを効果的に使ったPVも美しく、大ヒットした夏の名曲。歌詞にあるように夏真っ盛りの曲ではなく、過ぎ去った夏を思う表現が、この切ないメロディにこめられている。イントロから入る泣きのギターは絶妙。…

This Is Not America/DAVID BOWIE, PAT METHENY~語られることの少ない哀愁

BOWIEの80年代の仕事の中でも異色のコラボがこの曲だろう。 Pat Metheny Group feat. David Bowie - This Is Not America 映画「The Falcon and the Snowman」の主題歌を歌うのに、タッグを組んだ相手はジャズギタリストのPat Metheny。 切なく熟れたメロデ…

Girls On Film/DURAN DURAN~一足早く解放された思春期

Duran Duran - Girls On Film 青春期、両親が寝静まった金曜の深夜。僕はビデオデッキのカウンターが録画を示すカウントアップをしているにも関わらず、ひっそりと一人、テレビのあった部屋で画面を食い入るように見つめていた。 流れてくるのは憧れのスター…

1984 Sex Crime/EURYTHMICS~動く彼女に感じたある種のクライム

Eurythmics "Sex Crime" 1984 EURYTHMICSのデビュー時はYAZOOとの類似がいわれていた。無機質なエレポに、ソウルフルな女性ヴォーカルの乗るスタイルはたしかに似たスタイルだった。 だが、EURYTHMICSの曲を聴いてみると、ヒットしたシングルカット曲が陰鬱…

I Guess That's Why They Call It The Blues/ELTON JOHN~僕は君に素直な思いを伝えられていただろうか

青春にはいつも何かの壁がある。その多くは今になって振り返ると、なぜあんなに高く聳え立っていたのだろうと思うものも多く、その壁にぶつかるまでの自分は、なんて甘く愚かな生き物だったのだろうと思う。 Elton John - I Guess That's Why They Call It T…

Electric Youth/DEBBY GIBSON~既視感が生む80sのダイジェスト

Debbie Gibson - "Electric Youth" (Official Music Video) 既視感満載のこのPV、ある意味で80年代前半のビルボードの総集編のような作品になっている。 たとえばファッションはMADONNA。 Madonna - Borderline (Official Music Video) ダンスはMICHAEL JACK…

Jingle Bell Rock/DARYL HALL JOHN OATES~メリークリスマス!あの日の自分!

Daryl Hall & John Oates - Jingle Bell Rock (Daryl's Version - Video) 当時クリスマスシーズンのMTVで一度だけ流されたこの曲。シーズンがシーズンだけに面白いなと思ったが数か月たって録画したものを見ると、なんだこりゃって感じだった。 でも今になっ…

Everything Counts/DEPECHE MODE~ポップなぼくらの大人への階段

Depeche Mode Everything Counts (Remastered Video) lyrics デビューからのメインソングライターだった Vince Clarke が抜け Martin がソングライターとして再出発した DEPECHE MODE は、結果的にはその後より大きなグループへと成長をしていく。 おそらく …

Spirit In The Sky/Doctor And The Medics~まやかしの媚薬、一瞬のきらめき

Doctor & The Medics - Spirit in the sky (HD 16:9) ヒットするために何が必要か。 素晴らしい曲が書ければそれに勝るものはない。人目を奪うルックスがあればそれに越したことはない。 ただ素晴らしいはずの曲を書いてもライバルは多い。頭一つ抜けたハン…

Under The Gun/FACE TO FACE~生々しい戦場を駆け抜けた一輪の花

Face to Face - Under the Gun 魂とはどこにあるのだろう?我々は何のために生きているのだろう?そもそも命は守られているのだろうか? このPVの見せる痛みはおそらく、第二次大戦やベトナムと無関係ではないだろう。その生なましい現場に配置したLAURIEの…

China Girl/DAVID BOWIE~地上に降りた西洋人が見た東洋

David Bowie - China Girl (Live) BOWIEがあの80年代の洋楽ブームの頃、すでにひと時代を築き上げた存在で、他のブリティッシュ・インベイジョンを先導した連中よりひと世代上だったという事実は、このPVを見るとホントに嘘のようだ。 まるで古びていない感…

Girl/F. R. DAVID~隠したかった青春の直球

何でもないことを小難しく考えたがる青春時代。 Laurie Anderson - O Superman [Official Music Video] 純文学に生きることの意味を探したり、ローリー・アンダーソンの音楽に五感が研ぎ澄まされてくような感覚を得たりしていた時代に、こういうシンプルな音…

We Are Ninja/FRANK CHICKENS~イカ天前。世界に認められたエンターテインメント

オーバーナイト・サクセス。シンデレラストーリー。一夜明けたら――。いつの時代にも夢のような出来事は起こる。 FRANK CHICKENS We Are Ninja そんな中でも、80年代最高の摩訶不思議なセンセーション、FRANK CHICKENS。 いっちしまえば誰でもよかったのかも…

Fire In The City/ELVIS BROTHERS, THE~そそられる音、そそられるビジュアル

リアルタイムでこの曲のPVがMTVで流れたのを見たのは、二度ほどだったが、当時毎週番組を録画していた自分にはそれで十分といえば十分だった。 The Elvis Brothers - Fire In The City (1983) とはいえそもそも当時はプロフィールもよくわからないグループの…

Shouldn't Have To Be Like That/FRA LIPPO LIPPI~遺伝子の核に棲み付いた私たちの好きなメロディ

Fra Lippo Lippi - Shouldn't Have To Be Like That.wmv 80年代当時の洋楽のうち、大物アーティストのものではないスマッシュヒット曲が、日本のマーケットで受け入れられた例には共通点があるのではないかと思っている。 Hubert Kah - Angel 07 (Video 1985…

Are We Ourselves/FIXX, THE~研ぎ澄まされた二分間

それにしてもこの頃のフィクスには無駄がない。 前作で全米進出に成功した彼らのサードアルバム「ファントムズ」からの最初のシングルカットがこの曲なわけだが、不愛想なまでに余計なものがそぎ落とされたPVに作られている。 MTV The Fixx Sneak Preview Vi…

Seven Seas/ECHO AND THE BUNNYMEN~仕方ない最大限の妥協

バニーメンはPVにそれほど力を入れたグループではなく、世間の風潮に合わせてとりあえずいわれたから作っといたみたいなものが多い、そういう価値観のグループだろう。コテコテに芝居しまくったスパンダーとよく比較されていたのがなんだか懐かしい。 Echo a…

DAVID AUSTIN デヴィッド・オースティン

「Love While You Can」には、恋してステップ! とかホントもうどうしていいかかわからなくなるような邦題がついてるけど、いい曲だ。 David Austin - Love While You Can 短い演奏時間の中でぎゅっと凝縮したキレイなメロディとここ一番のファルセット。モ…

Johnny Come Home/FINE YOUNG CANNIBALS~フレットレスなアクション

ザ・ビーツ解散後、明るいヤツらはジェネラル・パブリックで一般大衆に明るい自分たちを見せていた。 そして、その影のように現れたのが、ローランド・ギフトをボーカルに据えたファイン・ヤング・カニバルズだった。 その後、全米ナンバーワンヒットを生む…

Planet Earth/DURAN DURAN~ちょっとだけ特別なヒラヒラ

デュラン・デュランといえば、当時の洋楽雑誌でいつも比較されていた相手がスパンダー・バレエだった、といって今信じてもらえるだろうか。 洋楽ブームが最盛期を迎えたころ、デュランはUNION OF THE SNAKEでスパンダーはGOLDだったのだから、「え? 比較対…

Eye Talk/FASHION~場末の踊り子の場末の恋人

安っぽい場末のディスコに、安っぽい役者、安っぽいドラマ。 Fashion - Eye Talk (Alan Darby on vocals) そんなチープさの中に、このクリップの完成度の高さがある。 ハイトーンなヴォーカルだが、この手の声によくある繊細さや痛みを伝える種類の力を持っ…

I.O.U./Freeez~マシンメイド・ミュージック・ウィズ・マン・マシーン

Freeez - IOU このクリップ全編を彩る、今となっては古びたテクノ系ダンス。 それがすべての魅力だろう。 そして、その古さはブレイクダンスのヒットスタイルのウェイヴだけでなく、当時はストリートに持ち出された巨大なラジカセにも見られる。 ヴォーカル…

(Feels Like) Heaven/FICTION FACTRY~ストレートでチープな天国

タイトルの「ヘヴン」からあまりに簡単に連想できる天使。 天使のような少女をモチーフに、教会で撮影した安易でチープ、しかしながら曲の雰囲気を見事にビジュアルに変えた一本。 Fiction Factory - (Feels Like) Heaven ところどころ、スイングするような…

I Can Dream About You/DAN HARTMAN~忍法吹き替えの術~

彼の歌声を聞き、このクリップを見て、ダン・ハートマンは小林克也みたいな感じの黒人だ! と思った人は数多いだろう。 I Can Dream About You [Official Music Video] The Sorels (Dan Hartman) 誰がなんと言おうと、このクリップは傑作だ。 実際のダンは白…

RELAX / FRANKIE GOES TO HOLLYWOOD(STADIO LIVE)~セックスよりも刺激的な欺瞞~

「リラックスしてごらん、咥えてほしい時は」 「リラックスしてごらん、イキたい時は」 たしかに歌詞は刺激的だが、「come」にそんな意味があると知らなかった自分にとって、この曲の歌詞に刺激を受けた記憶はない。むしろ、刺激的だったのはこのクリップで…

フェイス・トゥ・フェイス FACE TO FACE

どうってことない連中が何の気なしに集まってバンドを始めた。それは、バンドでなくてもよかったのかもしれない。 9人集まれば野球が出来るし、11人集まればサッカーも出来る。だが集まったのは5人。みんな、楽器が出来た。そして、そのうち一人は可愛い女…

フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド FRANKIE GOES TO HOLLYWOOD

フランキーはハリウッドへ行く。たった一曲のメロディを口ずさみながら。 Frankie Goes To Hollywood - Relax (Restored Version) 80年代の音楽シーンを支えたアイテム、ビデオクリップと12インチシングル。そのどちらにも、大きな戦果をあげたのがリバプー…