THIS IS VIDEO CLASH "RETURNS"--80年代洋楽PVの記録--

PVをメインに取り上げた80年代洋楽の記録です。2000年頃のアーカイヴをtumblrに移植したものをさらにこちらへ。新作も加えていきます。

アーティスト名-P,Q,R

リック・スプリングフィールド RICK SPRINGFIELD

RICK SPRINGFIELD といえばその楽曲には究極の安定感があった。 新曲が出たぞとわくわくしてレコード盤に針を落とせば、いつもの RICK が現れる。 Rick Springfield - Human Touch Rick Springfield - I Get Excited Rick Springfield - Love Somebody すな…

Can't Let You Go/RAINBOW~メロディアスなサイレントフィルム

Rainbow - Can't Let You Go 幽玄な印象のパイプオルガンから始まるイントロの間に、PV上の舞台設定が紹介され、そして曲の始まりとともに目覚める眠り男チェザーレを演ずるジョー・リン・ターナー。 モチーフはいわずと知れた1920年に制作されたサイレント…

This Is Not America/DAVID BOWIE, PAT METHENY~語られることの少ない哀愁

BOWIEの80年代の仕事の中でも異色のコラボがこの曲だろう。 Pat Metheny Group feat. David Bowie - This Is Not America 映画「The Falcon and the Snowman」の主題歌を歌うのに、タッグを組んだ相手はジャズギタリストのPat Metheny。 切なく熟れたメロデ…

リ・フレックス RE-FLEX

地を這うような低音から入り、高音まで一気に突き抜けていくボーカル。バクスターのその声にからむ、無機質に刻まれるビート。テクニックの高さを感じさせる人の手による各パートの音と、そこにやっぱり無機質にからみつく不思議なビート。リ・フレックスは…

Hurt / RE-FLEX ~痛覚のない疼痛

アルバムとクリップで異なるイントロになっているが、曲としては当時の「ピコパコ感」満載のアルバムのイントロの方が、この曲にはふさわしい。 Re-Flex - Hurt しかし、グループの色が出ているのはどちらかといわれれば、シンセの和音から入って、いきなり…

ローマン・ホリデイ ROMAN HOLLIDAY

小学校の時、クラスで一番モテモテだった〇〇ちゃんが、大人になって再会したら全然イケてなかったという経験はないだろうか。 子役時代、ものすごく可愛くて日本中の茶の間のアイドルだったタレントが、大人になったらイケてなくて、人気が下降していくこと…

Oh Sheila/READY FOR THE WORLD~ライブPVの功績

Ready For The World - Oh Sheila PRINCE のコピーのような音で、NEW EDITION に対抗するかのように突如現れた彼ら。全米ナンバー1に輝いたこの曲の頃、まだ十代だったはずだが、たしかに声が幼い。 だがバキバキのスラップベースに、弾むようなドラムのリズ…

The Politics of Dancing/RE-FLEX ~人工、密室、無機 ~マン・メイド・ビート

電波塔から発信される謎の電波。音は街に飛び火し、謎のひげ男はその街をさすらう指名手配者。 Re Flex - The Politics Of Dancing (1982) Remix 一瞬スリリングなドラマ的展開を期待するクリップだが、本当の魅力はそんな陳腐なところにはない。 このクリッ…

Somebody's Watching Me/Rockwell~時代の音じゃなかった俺様

Rockwell - Somebody's Watching Me 本人は、ファーストアルバムの「マイケル次は俺の番だ!」というド派手なキャッチコピーとともに登場し、セカンドアルバムの「俺が時代の音だ」というコピーとともに消えていくという、わかりやすい一発屋感をほとばしら…

Talking in Your Sleep/ROMANTICS, THE~バリバリのミラクル・オブ・ロケンロール

パンクロックが流行り、廃れ、そしてテクノポップがおしゃれで、ニューロマンティックのムーヴメントに酔う。 そんな時代を過ぎても、ロックンロールは生きていた。ある場所では時代が止まったかのように、音楽はロックだった。それは“俺”の苦手なアメリカの…

I'd Wanna Know/REO SPEEDWAGON~逆らえない音楽の本質

REO Speedwagon "I Do' Wanna Know" REOスピードワゴンと当時の自分の音楽世界というと、かなり意外がられるけど、まあ何もドゥルッテイ・コラムとか、オレンジジュースとか、ディス・モータル・コイルとか、コクトー・ツインズとか、そんなのしか聴いてなか…

Send Me An Angel/REAL LIFE~南半球に広がる夢幻の世界

YMOの影響は世界にどこまで広がっただろう。パンクのあとに出てきた、ニューロマンティックに人は現実のきな臭さを忘れて酔った。その中に当時のテクノと融合した一派があった。 DURAN DURAN、VISAGE、ULTRAVOX(要はMIDGE URE)、HUMAN LEAGUE……。 そんな中、…

Voices/PASSION PUPPETS~わずかに足りなかった何か

なんだかVo.のレイの動きがライク・ダストとまったくおなじ。両手を組む、指でおいでおいで、片膝立てて座る。 Passion Puppets - 'Voices' なかなか美しい動きなんだけど、ライク・ダストのPVの振り付けではなくて、レイのオリジナルアクションだとしたらそ…

Beyond The Pale/PASSION PUPPETS~わが青春の胸キュン

パッション・パペッツが唯一残したアルバムのタイトルにもなっていたナンバーがこれ。 Passion Puppets - Beyond The Pale 青くさい彼らのちょっと背中がむずがゆくなるような、それでいて胸にキュンとくるような魅力の詰まった一曲だ。 国内盤の邦題が「青…

One Lonely Night/REO SPEEDWAGON~どんでん返し不要の人情コント

郷愁をそそるメロディに載せて、切ない喜劇に仕立てられた秀作PV。 reo speedwagon - one lonely night 中世の騎士が、魔法使いの力で現代に送り込まれてドタバタするというタイムスリップ物のストーリーは、古今東西数多あれど、四分ほどの時間の中で、オチ…

Like Dust/PASSION PUPPETS~忘れられた美しいアクション

パッション・パペッツといっても、もう知る人も少ないだろう。 Passion Puppets - Like Dust 情熱の操り人形、という名のこのバンド、Like Dustのロマンティックでどこかノスタルジックなメロディは素晴らしい。 PVは西部劇を思わせるドラマ仕立てのパートと…

Girl in Trouble/ROMEO VOID~二人のヒロイン

この曲のクリップの制作を依頼されたらどうするだろうか。 そんな監督の苦悩と工夫が、このクリップからは溢れ出してくる。 Romeo Void- Girl in Trouble (is a temporary thing) Mix 曲を聞かされた時点で、このなんともけだるくメロディアスな一曲は、監督…

Hear It In The Night / ROMAN HOLLIDAY ~サラバ、ハリキリボーイ~

ピンクのジャケット、レザーパンツ、整った髪形、耳にきらめくピアス。ローマン・ホリデイはこの瞬間、全てを失った。 Roman Holiday - Hear In The Night 楽曲は悪くない。 しかし、世間がローマン・ホリデイに求めたものはこのクリップにはまったく残って…

ザ・ポリス POLICE, THE

ポリスの最高傑作「シンクロニシティ」から20年。 The Police- "Synchronicity I" LIVE あの頃を思い出すと、音楽の主流は「歌」だった。 「歌」にはメロディあるヴォーカルがあり、メロディに乗せた歌詞があった。 いつの間にか気が付くと、音楽は「歌」で…