THIS IS VIDEO CLASH "RETURNS"--80年代洋楽PVの記録--

PVをメインに取り上げた80年代洋楽の記録です。2000年頃のアーカイヴをtumblrに移植したものをさらにこちらへ。新作も加えていきます。

Touch/BERLIN~80年代を代表するエレポライブ

Berlin - Touch (sound remastered) 小悪魔のようなTerry Nunn。その魅力はこの頃、PVでもライブでも全開で発揮されていた。 歌詞を聴くとホント演歌やフォークのような世界だが、BERLINの演奏、メロディ、そしてTerryのアクションが加わると、素晴らしくカ…

This Is Not America/DAVID BOWIE, PAT METHENY~語られることの少ない哀愁

BOWIEの80年代の仕事の中でも異色のコラボがこの曲だろう。 Pat Metheny Group feat. David Bowie - This Is Not America 映画「The Falcon and the Snowman」の主題歌を歌うのに、タッグを組んだ相手はジャズギタリストのPat Metheny。 切なく熟れたメロデ…

Strip/ADAM ANT~裸になった王子様が教えてくれたもの

Adam Ant - Strip アダムの国の王子様に魅せられた庶民の娘たちにとっては、このPVはホント封印してしまいたい一本かもしれない。 イントロからの入りは相変わらずの馬に乗った王子様なのだが、なんというか場面が進むにつれ、王子様が少しずつ壊れていく。 …

Lucky Star/MADONNA~あの夏の日のWANNABES

Madonna - Lucky Star サイボーグになる前のあの娘は、ぷにぷにしたお腹を見せて僕たちの前で淫靡な踊りを見せてくれた。だがその踊りはどこかエロティックでもフレンドリーで、僕たちよりも感化されたのは、ティーンの少女たちだった。 WANNABES──そう呼ば…

Train in Vain/CLASH, THE~後世に遺したい“へにゃへにゃ”

The Clash - Train in Vain (Live at the Lewisham Odeon) この曲はアルバムリリース時、クレジットに表記がなく、隠しトラックとして騒がれたらしいが、実際のところは単に印刷に間に合わなかったとかなんとか。まあ、そんなことでも話題になった一曲だ。 …

The Lion's Mouth/KAJA GOO GOO~誰が噛まれた? ライオンに

Kajagoogoo - The Lion's Mouth 気を付けなよ。ライオンに噛まれてしまうよ。 Too Shy - Kajagoogoo 君はシャイすぎるよ。なんてシャイなんだ。秘密なんだね。 とてもおなじバンドの歌う歌詞とは思えない。だけどLIMAHLというたった1ピースが欠けただけで、…

SPANDAU BALLET スパンダー・バレエ

Spandau Ballet - To Cut A Long Story Short デビュー当初大仰な中世貴族風衣装に身を包み、エキゾチックで浪漫的な時代を超えた独特の世界観を展開した彼らだったが曲調そのものはダンサブルなクラブミュージックとドラマティックなバラードが主軸で、別に…

Girls On Film/DURAN DURAN~一足早く解放された思春期

Duran Duran - Girls On Film 青春期、両親が寝静まった金曜の深夜。僕はビデオデッキのカウンターが録画を示すカウントアップをしているにも関わらず、ひっそりと一人、テレビのあった部屋で画面を食い入るように見つめていた。 流れてくるのは憧れのスター…

Hold Me Now/THOMPSON TWINS~ギリギリのバランスを保ったトライアングル

Thompson Twins - Hold Me Now 80年代の人気アーティストの中で、驚くほど再評価の兆しが見えないバンドだが、あの頃たしかに彼らは DURAN DURAN や CULTURE CLUB に並ぶ人気を誇っていた。 日本での人気はとりわけハンサムな TOM に集まっていて、まさに洋…

1984 Sex Crime/EURYTHMICS~動く彼女に感じたある種のクライム

Eurythmics "Sex Crime" 1984 EURYTHMICSのデビュー時はYAZOOとの類似がいわれていた。無機質なエレポに、ソウルフルな女性ヴォーカルの乗るスタイルはたしかに似たスタイルだった。 だが、EURYTHMICSの曲を聴いてみると、ヒットしたシングルカット曲が陰鬱…

The Safety Dance/MEN WITHOUT HATS~いつかどこかで見たドラクエの原型

一発屋と呼ばれるアーティストは、ムーヴメントの波の中には欠かせない徒花である。彼らがいるからこそ、数の波が認知に繋がり、露出が増えるから興味を促し、さらに影響を受けた次の波がムーヴメントの内側に入り、ブームが起きる。 Psechodelic #217: "The…

Wonderland/BIG COUNTRY~この雄たけびよ、祖国に届け!

Big Country - Wonderland このクリップはU2「ニューイヤーズ・デイ」とともに、雪中演奏クリップの傑作である。 New Year's Day U2 Video このクリップと「ニューイヤーズ・デイ」のクリップの間に、お互いなんらかの影響があったかどうかは定かではないが…

Hit That Perfect Beat/BRONSKI BEAT~冷戦の壁の向こうに消えたジミの苦悩

「レター・トゥ・ブレジネフ」。 【VHSです】リヴァプールからの手紙 [字幕][アルフレッド・モリーナ]|中古ビデオ【中古】価格:1900円(税込、送料別) (2017/4/26時点) もう今となっては覚えている人も少なかろう。そんな映画のタイトル、邦題は「リヴァプ…

プロンスキ・ビート BRONSKI BEAT

はじめてブロンスキを知ったとき、ジミのファルセットヴォイスに込められた、溢れ出すような、それでいて、けっして「動」ではない「静」の魅力に激しく吸い寄せられた自分を思い出す。 その一方で、ジョンがヴォーカルに据えられたジミ脱退後のブロンスキの…

I Guess That's Why They Call It The Blues/ELTON JOHN~僕は君に素直な思いを伝えられていただろうか

青春にはいつも何かの壁がある。その多くは今になって振り返ると、なぜあんなに高く聳え立っていたのだろうと思うものも多く、その壁にぶつかるまでの自分は、なんて甘く愚かな生き物だったのだろうと思う。 Elton John - I Guess That's Why They Call It T…

Electric Youth/DEBBY GIBSON~既視感が生む80sのダイジェスト

Debbie Gibson - "Electric Youth" (Official Music Video) 既視感満載のこのPV、ある意味で80年代前半のビルボードの総集編のような作品になっている。 たとえばファッションはMADONNA。 Madonna - Borderline (Official Music Video) ダンスはMICHAEL JACK…

Drive/THE CARS~コミックが同期させたもうひとつの青春

The Cars - Drive (OFFICIAL MUSIC VIDEO) CIPHERと聞いて、ああ、と思う。 青春の何たるかを思い出させる懐かしいコミックだ。 愛蔵版 CIPHER 【電子限定カラー完全収録版】1【電子書籍】[ 成田美名子 ]価格:905円 (2018/1/27時点) 僕たちの青春がこんな場…

Happy Birthday/ALTERED IMAGES~僕たちの幸せ

Altered Images - Happy Birthday [Top Of The Pops 1981] シンプルな歌詞、シンプルな曲、どうってことない一曲だといってしまえばそれまでだけど、この曲はヒットしたし、今でも思い出すことがある。 ALTERED IMAGES - HAPPY BIRTHDAY (TOP OF THE POPS 19…

I Don't Like Mondays/THE BOOMTOWN RATS~月曜は嫌いだけどこの世界は好きなの

「月曜日は嫌いなの」 The Boomtown Rats - I Don't Like Mondays Brenda Ann Spencerの事件は、今となってはさらにそれ以上の銃による悲劇を生みだしたアメリカ社会においては、今や決して大きな傷跡ではないのかもしれない。 しかしその不条理すぎる動機、…

New Year's Day/U2~新年に思い出す若き革命の信念

New Year's Day U2 Video A Happy New Year! U2というとこの時代の怒れる若者的な印象がいまだに強く、BONOがなんだかひげ面のゲイっぽいおじさんになって、おしゃれなダンスミュージックに手を染めたなんてピンとこない。 血の日曜日を叫び、革命を支持す…

Jingle Bell Rock/DARYL HALL JOHN OATES~メリークリスマス!あの日の自分!

Daryl Hall & John Oates - Jingle Bell Rock (Daryl's Version - Video) 当時クリスマスシーズンのMTVで一度だけ流されたこの曲。シーズンがシーズンだけに面白いなと思ったが数か月たって録画したものを見ると、なんだこりゃって感じだった。 でも今になっ…

Twist Of Fate/OLIVIA NEWTON JOHN~法廷で歌われた歌姫の本気

Olivia Newton John - Twist of fate あまりに美しいOLIVIAのブロンドをこんなにも輝いて見せたPVがかつてあっただろうか。 Olivia Newton-John - Physical Physicalで若くてセクシーな魅力を見せた彼女が、大人の女性として音楽ファンの前に帰ってきた。 黒…

Everything Counts/DEPECHE MODE~ポップなぼくらの大人への階段

Depeche Mode Everything Counts (Remastered Video) lyrics デビューからのメインソングライターだった Vince Clarke が抜け Martin がソングライターとして再出発した DEPECHE MODE は、結果的にはその後より大きなグループへと成長をしていく。 おそらく …

ベルリン BERLIN

私は女神、私は芸者、私はブルームービー……。 テリー・ナンの小さな体と吐息は、「セックス・アイム・ア…(邦題:その時、私は ← 「その時」というボカし方がかえって淫猥)」という一曲とともに現れた。 Berlin - Sex (I'm A) (Official Music Video Promo)…

リ・フレックス RE-FLEX

地を這うような低音から入り、高音まで一気に突き抜けていくボーカル。バクスターのその声にからむ、無機質に刻まれるビート。テクニックの高さを感じさせる人の手による各パートの音と、そこにやっぱり無機質にからみつく不思議なビート。リ・フレックスは…

ザ・ロータス・イーターズ LOTUS EATERS

青春にはその時代にしかない共存の仕方がある。 「青い」「美しい」「爽やか」「痛い」「清い」「透き通る」「傷」。そういったキーワードの中でも相容れないふたつが共存するのが、青春であり思春期なのだ。 たとえば「美しい痛み」、「透き通る傷」。 痛み…

Baby Come Back/BILLY RANKIN~華々しくそっと咲いたクールな一輪

ナザレスのギタリストといってもどれくらいピンとくるのかちょっとよくわからない。 というのもビリーが古豪ナザレスに関わるのは、1981年以降で、彼のソロアルバムGrowin' Up Too Fastからのシングルカット、Baby Come Bacが日本のMTVで流れたのは1983年。 …

Red Ripstick/NOMO~洋楽バブルの影の名曲……で、あんた誰?

Nomo - Red Lipstick 1985 80年代の洋楽ブームは今となって思えば、洋楽バブルだった。とにかく今となってはあれはいったい誰だったのだろうとしみじみとしてしまうような、忘れようとしても思い出せないようなバンドのPVがテレビで流れ、アルバムがリリース…

Some People/BEROUIS SOME~洋楽バブルに咲いた80年代の徒花

Belouis Some - Some People [Official Video - album mix] BEROUIS SOME の日本デビューは、それなりにプロモ―ションにも力が入っていて、本国イギリスではさぞかし注目のアーティストなんだろうと思っていたが、あらためて調べてみると Some People がUKチ…

The Breakup Song/GREG KIHN BAND~ぶっちゃけダサいノスタルジー

Greg Kihn - The Breakup Song (They Don't Write 'Em) - 7/6/1981 - unknown (Official) GREG KIHN はぶっちゃけダサい。 ベイエリアのロックスターという点で、比較対象としてよく名の挙がる HUEY LEWIS がなんとなくアメリカンロックのお洒落さん的な存在…