Like Dust/PASSION PUPPETS~忘れられた美しいアクション
パッション・パペッツといっても、もう知る人も少ないだろう。
情熱の操り人形、という名のこのバンド、Like Dustのロマンティックでどこかノスタルジックなメロディは素晴らしい。
PVは西部劇を思わせるドラマ仕立てのパートと、演奏シーンが交互に差し込まれるスタイルで、演奏パートでのヴォーカルのレイ・バーミストンのアクションがいちいちカッコいい。
両手を組み合わせたり、指でおいでおいでしたり、片膝を立てて座るしぐさや、磔刑の主を背後から見るようなポーズで足をトントン動かすところ。すべてが美しく見える。
ブレイクすることはなかったけど、音、絵ともに秀逸な作品だ。
だがブレイクすることがなかった以上、一部のコアな洋楽マニア以外にはそのメロディもアクションも知られることはなく、知るものの記憶にも遠く忘却の彼方になっていることだろう。
日本で出たアルバムの売り出し方がアイドルバンド的な方向に行ったのが、返す返すも残念だが、若くてかわいいヴォーカリストがいて、業界の右左もわかってなければ、レコードの出る嬉しさで、そういうのは飲んじゃうんだろうな。
ただレイの前髪の残量が、もしアイドルとして成功していたとしても、その後何年、少女たちの人気を集め続けられたのかというのはちょっと疑問だ。