Nobody's Diary/YAZOO~小じゃれた音に乗り損ねたアクションのないアクション
男女ペアという編成で、テクノ畑から出てきたせいか、ユーリズミックスとの比較がよく論じられたヤズー。
音楽的な主導権を握る男性と、ソウルフルな女性ヴォーカルというところまでかぶっていたから、その比較は見当違いではない。
Eurythmics - Sweet Dreams (Are Made Of This) (Official Video)
しかし、何がこのふたつのグループのその後に差をつけたのか。
それは、このクリップを見ると明確だ。
ヤズーには華がない。
レコードで聴いている時に感じる違いは、ユーリズミックスよりライトで無機質な音作りくらいでしかなかったが、アリソン・モイエの豪快なルックスはアニー・レノックスのような華やかさが皆無で、ビジュアル向きではなかった。
そして、ビジュアルが音に反して重い。
これは、アリソン・モイエの体重のことを言っているわけではない。
むしろ、ヴィンス・クラークの死にかけたニワトリのような異様なルックス、まったく動かないというアクションのないアクションがその原因だ。
こんな状態ではビジュアルに訴える要素は皆無に等しい。
テクノブームに乗っかって、デペッシュ・モード初期の素軽い音作りをヤズーに移行して継続したヴィンスだったが、その小じゃれた音を表現できたのは、レコードの世界だけだった。
(80's) Depeche Mode - Dreaming of Me
テクノ以降、チャート界に大きな影響を与えた、クリップの世界において、彼は自らの音作りとは正反対の重さだけを表現してしまったのである。
彼はレコードという閉ざされた世界から、クリップという開かれた世界にその姿を登場させたことで、ヤズーの幕を下ろすことになったのかもしれない。
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