Shouldn't Have To Be Like That/FRA LIPPO LIPPI~遺伝子の核に棲み付いた私たちの好きなメロディ
Fra Lippo Lippi - Shouldn't Have To Be Like That.wmv
80年代当時の洋楽のうち、大物アーティストのものではないスマッシュヒット曲が、日本のマーケットで受け入れられた例には共通点があるのではないかと思っている。
Hubert Kah - Angel 07 (Video 1985)
たとえばHUBERT KAH、ALPHAVILLE、REAL LIFEやこのFRA LIPPO LIPPIに顕著なのだが、それはメロディの要素として漂う哀愁ではないだろうか。
日本人は哀愁漂うメロディが好きだ。
この曲なんかはまさに典型的で、なんだか日本の歌謡曲に英語の歌詞を載せたような気すらしてくる。
そう、歌謡曲なのだ。
おそらく「美しき天然」の時代から存在する、日本人の遺伝子の何かが化学反応するのだろう。
こういうメロディに日本人は弱い。
ノルウェー出身のFRA LIPPO LIPPIなんて今や、よほど当時このデュオに入れ込んだ人でなければ、80年代洋楽史を振り返ったときに、名前を挙げられもしない存在ではないかと思うが、ふと思い出すと無性に聴きたくなってネットで検索したりしてしまうのだ。
それは記憶の隅に、遺伝子の核に棲み付いた本能が求める、癒しのメロディなのかもしれない。
残念なのはこの手のスマッシュヒットの主の多くが、本国でのその後の活躍は別として、日本では一発屋としてくくられてしまっていることである。
- アーティスト: Fra Lippo Lippi
- 出版社/メーカー: Rune Arkiv Norway
- 発売日: 2003/02/01
- メディア: CD
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