The Safety Dance/MEN WITHOUT HATS~いつかどこかで見たドラクエの原型
一発屋と呼ばれるアーティストは、ムーヴメントの波の中には欠かせない徒花である。
彼らがいるからこそ、数の波が認知に繋がり、露出が増えるから興味を促し、さらに影響を受けた次の波がムーヴメントの内側に入り、ブームが起きる。
Psechodelic #217: "The Safety Dance" (Extended Club Mix) (1982-83) by Men Without Hats
もしブームがひとつの祭りだとすれば、祭りが過ぎ去った後、すべての参加者が残れる程度の頭数ではそもそも世界を包み込むような大きなムーヴメントにはならないのだ。
MEN WITHOUT HATSもそんな徒花の一輪に過ぎない。
だが彼らには強烈な印象を残す、大輪の花がある。ブリティッシュ・インベイジョン、PV全盛の時代にうまく乗り、この曲はビルボード三位まで上り詰めている。
実際には彼らは、カナダで結成されたグループで、ブリティッシュとは関係ないのだが、軽めのエレポ感が、汗くさいアメリカン商業ロックとは一線を画した、当代の音ではあった。
The True Meaning of The Safety Dance by Men Without Hats
中世のヨーロッパのような風景の中、ドワーフを連れて村を行くアイヴァン。
途中で出会う女はなんだか、その少し後に世界を席巻するシンディ・ローパーの原型のような不思議な動きのお姉ちゃんだ。
曲のタイトルの頭文字を形作るポーズははたしてどこかで流行したのだろうか。
ハメルンの笛吹男のように人々を連れた先、村では祭りが始まり、狂乱のうちに映像は終わっていく。
なんてことのないチープなエレポにすぎないといってしまえば、それまでかもしれない。
Men Without Hats ~ Safety Dance ~ Live 1985 in Montreal ~ DVD Live Hats
しかし、この曲の奇妙にすがすがしい余韻と、アイヴァンの苦みを含んだ表情の対立するような存在の妙は音に映像が付加されてこそ。その対極にある要素の中和に、ドワーフと不思議なお姉ちゃんを持ってきたパーティ仕立てのキャスティング。
村のロケーションをあらためて見直すと、なんだかドラクエの原型もここにあったんじゃないかという気分にさせられる。
PS
最近の姿を見つけたのですが、思いっきり生演奏で素敵でした。
なんつーか、そこはエコーかけて処理してあげてよ!
みたいなとこまで生でほほえましいです。
Men Without Hats perform 'Safety Dance'
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