I Want You/GARY LOW~情報の少ない時代のスマッシュヒット
Gary Low - I Want You (Juke Box Star 1983)
スマッシュヒットというやつは定義が難しい。
大ヒット曲というのはビルボードとかわかりやすいチャートのわかりやすい上位にランクされ、ちまたに溢れて発売されるレコードのジャケットにもその栄誉が記された。
それに対してスマッシュヒットとうたわれた曲は、いったいどこの国の人がどこのチャートでヒットさせた曲なのかがわからないものも多かった。
インターネットでサクサク検索できる今の時代とは違い、80年代の洋楽情報ソースは限られていた。
専門誌にレコード評が載っていてもわずかなもので、МTVで流れるPVは当時は演奏シーンのないものも多く、はたしてどんなプロフィールの持ち主なのかわからない。
そしてその多くは一発屋で、二曲目の情報などないのだから、どこでどうすればその素性とその後を知れたというのだろうか。
GARY LOW という人もまったくよくわからないままだったが、妙に軽快なイントロとどこか哀愁漂うAメロで耳に残る一発をはなった存在だった。
結局アルバムを見つけて買ってみたのだが、今となってはこの曲以外はまったくメロディが浮かんでこない。
だけどこの曲だけは今もふと口ずさんでしまうことがあるほどなのだ。
今となってはこうして歌う姿も見られますが、明らかに「ミュージシャンというよりは歌手」という立ち居振る舞いですね。
デュラン・デュランがUnion Of The Snakeをリリースした年にこの曲が出ていると思うと、なんだか同じ時代とは思えない。
当時は「洋楽」というワードでひとくくりにされていたが、明らかにマーケットもチャートも別の舞台だったのだろう。
ちなみにスマッシュヒットという単語の本来の意味は大ヒットという意味らしい。
この言葉が英語圏でいうスモールヒット的な意味合いで使用されているのは、日本だけらしいです。
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