THIS IS VIDEO CLASH "RETURNS"--80年代洋楽PVの記録--

PVをメインに取り上げた80年代洋楽の記録です。2000年頃のアーカイヴをtumblrに移植したものをさらにこちらへ。

The Lucky One/LAURA Branigan~そのとき、ローラは

ちょうどタイミング的にローラ・ブラニガンと重なって、マドンナ、シンディ・ローパーというヒロインがいた。


Madonna - Material Girl (Official Video)


Cyndi Lauper - Girls Just Want To Have Fun (Official Video)

 

ネオ・モンロー、現代のセックス・シンボルとして、まだサイボーグになる前のマドンナはむちっとしたおなかを見せたへそ出しルックでコケティッシュな魅力を振りまいて、世の男どもの視線を釘付けにしていたし、パンキッシュでアヴァンギャルドなのに、浮ついた印象を与えないシンディはGirls Just Wanna Have FunのPVそのままに、世の女子たちのファッションリーダーになろうとしていた。

 


Laura Branigan (clip) - The Lucky One

 

そのとき、ローラはなにをしていたんだろう。

 

ぶっとい眉毛。そのへんのオネチャンさながらのファッション。たしかに美人だが、ラテン系の親しみやすい、一歩間違えればきれいだけどイモっぽい面立ち。
そんな彼女にシンデレラストーリーが似合うのは、必然。

 

Self Controlで見せた夜のセクシーな姿もどこか色気を感じさせない不思議な雰囲気を見せるローラには、少年少女の絵本の題材になりそうな、こんなストーリーがよく似合う。

 

ちなみにMADONNAのMaterial Wolrdの間奏に男性コーラスが入るパートがあるが、それよりもヴォイスコーダーを利かせたこっちの男性コーラスパートのほうが俄然カッコいい。


ダサくて(あっ、いっちゃった)あか抜けないローラのほうがそこは一歩リードしていたのだ。

 

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Shouldn't Have To Be Like That/FRA LIPPO LIPPI~遺伝子の核に棲み付いた私たちの好きなメロディ


Fra Lippo Lippi - Shouldn't Have To Be Like That.wmv

 

80年代当時の洋楽のうち、大物アーティストのものではないスマッシュヒット曲が、日本のマーケットで受け入れられた例には共通点があるのではないかと思っている。

 


Hubert Kah - Angel 07 (Video 1985)

たとえばHUBERT KAH、ALPHAVILLE、REAL LIFEやこのFRA LIPPO LIPPIに顕著なのだが、それはメロディの要素として漂う哀愁ではないだろうか。

日本人は哀愁漂うメロディが好きだ。

 

この曲なんかはまさに典型的で、なんだか日本の歌謡曲に英語の歌詞を載せたような気すらしてくる。
そう、歌謡曲なのだ。

 


フォレスタ 美しき天然


おそらく「美しき天然」の時代から存在する、日本人の遺伝子の何かが化学反応するのだろう。
こういうメロディに日本人は弱い。

 

ノルウェー出身のFRA LIPPO LIPPIなんて今や、よほど当時このデュオに入れ込んだ人でなければ、80年代洋楽史を振り返ったときに、名前を挙げられもしない存在ではないかと思うが、ふと思い出すと無性に聴きたくなってネットで検索したりしてしまうのだ。

 

それは記憶の隅に、遺伝子の核に棲み付いた本能が求める、癒しのメロディなのかもしれない。

 

残念なのはこの手のスマッシュヒットの主の多くが、本国でのその後の活躍は別として、日本では一発屋としてくくられてしまっていることである。

 

 

Songs

Songs

 

 

 

Best of

Best of

 

 

 

Voices/PASSION PUPPETS~わずかに足りなかった何か

なんだかVo.のレイの動きがライク・ダストとまったくおなじ。両手を組む、指でおいでおいで、片膝立てて座る。

 


Passion Puppets - 'Voices'


なかなか美しい動きなんだけど、ライク・ダストのPVの振り付けではなくて、レイのオリジナルアクションだとしたらそれはそれでカッコいい。

 

ちょっと青くさいようなノスタルジックなエッセンスがあって、ななかなキャッチーなメロディを演るいいバンドなんだけど、何かが足りなかったんだろう。


おそらく、デュランやカジャの跡を継ぐには洗練されてなくて、スミスやバニーメンに続くには俗っぽすぎたというところなのかもしれない。

 

ほんのわずかなボタンの掛け違えがヒットするかどうかの差になるのだ。

 

Beyond The Pale

Beyond The Pale

 

 

 

Touch/BERLIN~80年代を代表するエレポライブ


Berlin - Touch (sound remastered)

 

小悪魔のようなTerry Nunn。
その魅力はこの頃、PVでもライブでも全開で発揮されていた。

 

歌詞を聴くとホント演歌やフォークのような世界だが、BERLINの演奏、メロディ、そしてTerryのアクションが加わると、素晴らしくカッコいい作品になる。

 

この曲はシングルカットされなかったが、間違いなくBERLINを代表するナンバー。

 

このフィルムは80年代前半に開催された、今でいうロックフェスの屋内版で、実にいろんなアーティストが登場したが、中でもとりわけカッコよかった演奏のひとつがこのBERLINだった。

 

動きが見られることを計算しつくして演出されていて、そこに盛り上がるオーディエンスの雰囲気に合わせて自然と発生するアドリブの動きが重なって、魅力は無限に広がっていく。

 

Love Life

Love Life

 

 

 

Love life (1984) / Vinyl record [Vinyl-LP]

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Cruel Summer/BANANARAMA~隣の姉ちゃんはもうすぐ街へ行く

バナナラマは隣のお姉ちゃんだった。

 


The Fun Boy Three & Bananarama - Ain't What You Do (TOTP 25-Feb-1982)


テリー・ホールのオマケとしてファン・ボーイ3と一緒に演ってる頃の彼女たちは、なんだかよくわからないまま、たまたまテレビに出てしまった近所のお姉ちゃんだった。


Bananarama - Cruel Summer (OFFICIAL MUSIC VIDEO)

 

「愛しのロバート・デ・ニーロ」そして「ちぎれたハート」と邦題がつけられたこの曲の頃も、ジーンズにティーシャツの近所のちょっとかわいいお姉ちゃんが、テレビに出てるだけだった。

 

ある日彼女たちはユーロビートと出会う。

 

そして派手なPVで世界の頂点に上り詰める。
だがよく見ると何が変わったのだろう。

衣装は特にドレスアップしているわけでもない。三人もいるのに、特にハモるわけでもないユニゾンのヴォーカル。

何も変わっちゃいない。

 

ただひとつだけ違うのではないかと思えるのは、この曲にあった気怠さはヴィーナス以降の彼女たちにはない。

部活のようなノリだった歌と踊りは、ショウビズの世界で売り物になるようなメリハリの利いたものに変化していた。

 

彼女たちは街を出て、都会へ。そしてみんなのお姉さんになった。

 

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Give/MISSING PERSONS~バキバキ超絶テクの変態たち

ド派手なメイク、奇妙な近未来感のあるシェイプの楽器に、フワフワした浮遊感のある曲、そしてバカテク。

 


Missing Persons - Give

 

いったいなんだこりゃ、という感じのビジュアルだが、ドラムのテリー・ボジオフランク・ザッパバンドにいたという経歴を聞いて、ちょっとイッちゃった天才なのかなと思ったものだ。

まあもっともイッてたのは、ヴォーカルのデイル、すなわち当時のテリーの嫁さんなのだが。

 

いずれにしても、こんな未来は21世紀になっても来なかったわけで、そう考えるとある意味で80年代のクラフトワークみたいなPVに仕上がっている。

ちょっとSFっぽいんだよね。

 

曲は秀逸。

テクもバキバキ。

 

けど、どこかマニア向きで、メジャーシーンのトップに立てるようなキャッチーさはないバンドだった。

玄人好みのテクニシャンの才能が少しだけチャートに訴えかけた一曲なのかもしれない。

 


 

 


 

 

Beyond The Pale/PASSION PUPPETS~わが青春の胸キュン

パッション・パペッツが唯一残したアルバムのタイトルにもなっていたナンバーがこれ。

 


Passion Puppets - Beyond The Pale


青くさい彼らのちょっと背中がむずがゆくなるような、それでいて胸にキュンとくるような魅力の詰まった一曲だ。

 

国内盤の邦題が「青春のパペッツ」なんて、どうしようもないタイトルだったのもこの曲のせいなのかもしれない。


ちなみにこのPVは当時、日本では流れる機会もほとんどなかったはず。

たった一枚で消えてしまったけど、今聴くとポップスとしてホントにいいバンドだと思う。


ロータス・イータースやアイシクル・ワークス、トークトークのような職人でもなく、ブルー・ズーだのサヴァ・サヴァみたいなアイドルに徹する開き直りもなく、なんというか楽しくやってた友達バンドがうっかりプロになって、逆にうまくいかなくなってしまったみたいな儚さを感じる彼らには、うってつけの曲だ。

 

それにしても、こんなプロフィールのあやふやなバンドまで、国内盤のアルバムが出ていたというのはすごいなあ。

ありがたい時代だった。

このバンド、この曲たち(特にライク・ダスト)を知れたのは、わが青春の貴重な記憶だ。

 

Beyond The Pale

Beyond The Pale

 
Passion Puppets / Beyond The Pale

Passion Puppets / Beyond The Pale