THIS IS VIDEO CLASH "RETURNS"--80年代洋楽PVの記録--

PVをメインに取り上げた80年代洋楽の記録です。2000年頃のアーカイヴをtumblrに移植したものをさらにこちらへ。新作も加えていきます。

The Boys Of Summer/DON HENLEY~過ぎ去った夏を思うモノクロの世界


Don Henley-Boys of Summer HD/HQ 1984+Info✔

 

モノクロを効果的に使ったPVも美しく、大ヒットした夏の名曲。
歌詞にあるように夏真っ盛りの曲ではなく、過ぎ去った夏を思う表現が、この切ないメロディにこめられている。
イントロから入る泣きのギターは絶妙。

 

PVに登場する少年はもくもくとドラムを叩く。
DON 自身の影を投影したような少年はタイトルにもかけられていて、そしてそのバックに成長していくその姿が映されるのだが、モノクロであること、ファッションなど、はたして少年とフィルムのどちらが過去なのかがわからない演出が幻想的な雰囲気を出している。

 

DON のハスキーな高音が紡ぎ出すメロディがはてしなく切ない、戻らない夏を想起させる。

 

それにしても同じ時期にソロでヒットした GLENN FREY とは対照的な世界観だ。

 


Glenn Frey - The Heat Is On (From "Beverly Hills Cop" Soundtrack)

 

今回PVを見直して気付いたのだが、エンディングは少年の姿ではなかったようだ。
記憶では最後も少年がドラムを叩いていたような気がしたが、意外に早く彼の出番は終わっている。
そんな混濁した記憶も、過ぎ去った夏の日の残り香を感じさせるではないか。

 

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Making Love Out Of Nothing At All/AIR SUPPLY~軍隊のない国に生まれた僕たちが妄想する夏


Air Supply - Making Love Out Of Nothing At All

 

毎年ある季節になると思い出すPVというのがある。
夏になると思い出すこの曲は、別にフィルムが夏なわけではないのだが、このグループが夏・渚といったイメージと切り離せなかったことがあるだろう。

 

透き通るようなハイトーンヴォイスは、夏に涼やかな風を運んでくる。
曲調も激しいものではなく、ウエストコーストに吹く一陣の風を思わせる爽快さ。

 

PVの中で紡がれる若い二人のストーリーも青春の輝きとうまくいかないもどかしさがみごとに演じられていて、どこまでも爽やかだ。


軍隊のない国に生まれた若者にとって、彼が徴兵なのか志願なのかはともかく、戦場に旅立ち離れ離れになり、そして除隊したのか再会するというシチュエーションは自分の身には起こりえないドラマティックな物語でもある。

 

そして煙草にリーゼント、80年代初期のカッコイイが小道具として効果的。

 

この涼やかな名曲を歌ってるのが、肉まんみたいなおっさんだという点はともかく、夏になると見たくなるPVです。

 


 

 


 

 


 

Dont You Forget About Me/SIMPLE MINDS~僕のこと忘れられないんじゃないのかい?


Simple Minds - Don't You (Forget About Me)

 

映画のために書き下ろされたこの曲、当初は BRYAN FERRY にオファーされたらしい。
それが実現せず、巡り巡って白羽の矢の刺さった JIM KERR はこの話を受けた。
これが運命の分岐点だった。

 


Simple Minds: Dont You Forget About Me

 

あと一歩メジャーになりきれなかった彼らの最大のヒット曲になるだろう。
誰もがそう思ったこの曲は、最大どころか、次のアルバムで世界的スターになる第一歩だった。

 


Simple Minds - Alive And Kicking

 

そんな一曲が自分たちの書いたものでないところに、人生の明暗を感じさせる。
もちろん明るく照らされたのは彼らで、苦しみ続けたのは BIG COUNTRY だ。

 

モニターに囲まれ、おもちゃ箱をひっくり返したようなスペースでの疑似ライヴ的なPVはよくあるシチュエーションだが、このフィルムの動きは美しい。
なめらかで気負いなく、そして曲の盛り上がる部分を確実に魅力的に見せてくれている。
素朴なPVだが、彼らの魅力を伝えるのには十分すぎるかっこよさだった。

 

どうでもいいけど JIM KERR ってなんでこんなにモテるんだろう。

 

最初の嫁さんは PRETENDERS の CHRISSIE で、

 


The Pretenders - Middle of the road (HD 16:9)


次の嫁さんは PATSSY KENSIT だぞ。

 


Eighth Wonder - Stay With Me (1986 Japan)

 

まあどっちも「元妻」ってことなんで、結局破綻してるわけだけど。

僕のこと忘れられないんじゃないのかい?

それにしても JIM のぱっと見なんて、垢ぬけなくてハナタレ小僧みたいな童顔だし、ライヴエイドのときなんて当時はやってたとはいえ裾のしまったダブダブズボンで、ほとんど普段着ですよ。

 


SIMPLE MINDS - "Don't You" - Live Aid 1985

 

げに難しきは女心よ。 

 

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Gambler/MADONNA~サントラが切り取った偉大な歌姫の一瞬


Madonna - Gambler

 

MADONNA が世界を代表する歌姫になって以降、ほぼ封印されているといってもいい一曲だが、あの頃の彼女の魅力をこんな伝えているPVはほかにないのではないだろうか。

 

その魅力の根源は、映画のサントラ用に作られた曲だったことにある。


ビジョン・クエスト 青春の賭け(字幕版) (プレビュー)

 

この曲は MAONNA のアルバム一枚を構成するために考え抜く必要もなければ、ボーダーラインをヒットさせ、ようやくスターとしての足場を固め始めたニューヒロインのために万全を期す必要もなかった、ただこの一曲だけに当時の彼女のパブリックイメージを詰め込めばよかったのだから。

 

そこに展開されたのはあくまでヤンチャなダウンウタンの歌姫の姿だ。
衣装や雰囲気含めて、デビューの頃の彼女の歌と踊りの魅力がここまで堪能できるPVはほかに残ってない。

 

その瞬間輝く MADONNA という存在を、ある意味で無理やり切り取ることが出来たのは映画というイベトンあってこそだった。


無理もない。

あの当時 MADONNA がここまでの大スターになるのかどうかは誰にもわからなかった。


だからこそ、その瞬間の彼女の魅力を伝えることに必死になった。

それがこのPVだ。
これこそあの頃のサントラブームが切り取った、偉大な歌姫の生涯の一幕だ。

 

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Dancing In The Dark/KIM WILDE~暗闇を抜け出した初恋の君へ


Kim Wilde - Dancing In the Dark

 

KIM WILDE を初めて見たのはテレビのCМだった。


Kim Wilde Bitter is better Japan commercial

まだ洋楽の何たるかを知らなかった幼い僕は、彼女がブラウン管の中に持ち込んだ外国の香りにほんのりとした苦みとつきぬけるような高い声に憧れを抱いたのだ。

 

そして自分がもう少しだけ大人になったとき、最初に探したの彼女の名前だった。
そして見つけた彼女は不思議な立ち位置にいた。

 

次々と女性シンガーがブレイクしていく中、微妙に迷走しているような彼女の姿は、幼い日の記憶に痛みを残した。


Madonna - Like A Virgin

 


Cyndi Lauper - Girls Just Want To Have Fun (Official Video)

 


Nena - 99 Luftballons

 

何か違うなと思いつつも、僕たちは暗闇に踊る彼女を応援した。

だが世間が暗闇で踊ったパートナーは彼女ではなかった。

 


Bruce Springsteen - Dancing In the Dark

 

二度目の迷走。


Kim Wilde - The Second Time (Go For It)

 

そして跳躍。


Kim Wilde - You Keep Me Hangin' On

 

飛び跳ねた彼女は僕の好きな彼女ではなくなっていた。

だけどそこから時を経て、僕がようやく痛みを想い出に昇華したころ。
彼女は美しい姿で僕たちの前に帰ってきた。

 


Nena And Kim Wilde - Anyplace Anywhere Anytime (2002) (HD)

 

それは僕の好きだった彼女が大人になって、自分の世界をようやく確立した安定と安心の姿だった。


もう僕は迷わない。
だからあなたも、二度と迷わないで。

暗闇を抜け出した初恋の君へ。

 


 

 

 

愛の彷徨〜シングル・コレクション 1981〜1993

You Can Do Magic/AMERICA~君にもできる時をさかのぼる魔法


You Can Do Magic - America (HQ/1080p)

 

ケント・デリカットは歌も歌ってたのか!?」


ケントデリカットの現在に驚き!職業が意外だった…

 

そんなジョークも懐かしいPVは、ニューロマンティック方向からやってきて当時のビルボードを席巻したイギリス系ミュージシャンの派手なドラマ仕立ての中にあって、よくぞこれだけオンエアされたものだと思う。

 

そこにあるのは何よりも曲のよさだ。
切なさと美しさに包まれたこのメロディには、余分な装飾など必要ないのだ。

 

とはいえオープニングに挿し込まれるブラックバックの中を舞う、白い手袋のマジャシンの手は視覚的にこのPVが単なるライヴフィルムにとどまらない世界観を築いている。

間奏とエンディングに入るクロースアップマジックも、Aとジョーカーを引いて見せるなんてちょっと気が利いている。


ただ映像の古くささといい、現代の超一流マジシャンの手元に見慣れた目には、たどたどしく見えてしまうあたりはご愛敬。

「風のマジック」という邦題もなんだか今となっては懐かしい。

 

メンバーのファッションも含めて、全体にこれが本当に DURAN DURNA や CULTURE CLUB と同じ時代の作品なのか!? と思わせるレトロ感が今となっては逆にいい味を出している。
それもこの切ないメロディあってこその効果だろう。

 

時をさかのぼることのできる魔法。
それがこの曲の Magic だ。
きっと君にもできる。

 

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Election Day/ARCADIA~分裂の光と闇


Arcadia - Election Day (Original Video)

 

DURAN DURAN のメンバーがふたつに分かれてそれぞれプロジェクト活動をした時代があった。

THE POWER STATION に関しては今や説明の必要もないだろう。

 


The Power Station - Some Like It Hot

 

この曲のヒットはヴォーカルで参加した ROBERT PALMER を、こののち全米トップにまで押し上げた。

 


Robert Palmer - Addicted To Love


もともとギターばりばりの ANDY はともかく JOHN もこれほど、ロックなアプローチのできるミュージシャンだったというのには驚かされた。

 

一方 ARCADIA のメンバーは SIMON と NICK と ROGER の三人。
わかりやすくいうと THE POWER STATION 結成で DURAN DURNA の活動が止まってしまい、時間をもて余した三人だった。

 

それでも人気絶頂のころだから、こちらも当時のチャートリアクションは上々。
両者ともにうまくいった課外活動という感じだ。

 

しかし時を経て今になってみると THE POWER STATION は語り継がれる存在となったが ARCADIA はすっかり記憶の隅に追いやられている。

 

皮の衣装に身を包み、新しい仲間の刺激を得てハードな演奏シーンでいつもとは違う顔を見せた THE POWER STATION に対して、仕方なく組んだユニット感のあった ARCADIA は DURNA の縮小再生産のような存在になってしまったやむを得ない。

 

ロック小僧 ANDY と寡黙な JOHN の組み合わせに比べて、ナイトクラブのチャラチャラした印象をぬぐえない二人が、オネエチャンをはべらしたPVを作ってしまってはやむを得ないところか。

 

だがいまあらためて聴いてみると、この曲の粘りつくようなリズムや気怠い空気感は、ソリッドで哀愁を帯びた曲調がヒットを呼んだ DURNA とは明らかに別物だと思う。

 


Arcadia (Duran Duran)-Election Day (Long Video) HQ

 

五人の音とはきっちりと線を引いた別の魅力を備えているではないか。

敗因は明確な別路線に進んだ二人と違い、本家に近いジャンルで勝負せざるを得なかったこと。
しかしそれはキーボーディストの NICK が音の主導権を握らざるを得なかったのだから、仕方のないところだろう。

 

それにしても RODGER は本当にこのユニットをやりたかったのだろうか。
PVにも出てこないし、退屈したやんちゃな二人に、なんだか仕方なく付き合った感じがするところが、人のよさを感じさせてほほえましくもある。

 

 

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