STILL ON FIRE / AZTEC CAMERA~シニカル・ヒステリー・アワー~
この曲を歌う、ロディ・フレイムの唇の動きは必見。
当時、唇といえば、スティングのトンガリくちばし(コリー・ハートはまんまコピーしていた)、ビリー・アイドルの端っこ持ち上げが双璧で、続いてカジャ・グー・グーの二代目ヴォーカリスト、ニック・ベッグスの歯ぐき剥き出しウッキースタイルがそれに続くかというところであった。
それ以外に唇の形で個性を表現するには、ティナ・ターナーのように下に片っ方引っ張る(ビリー・アイドルの逆パターン)とか、ヘビメタ系アーティストのように、唇の両端を下げるとかいったものになってしまい、スマートとかカッコよさより、汗臭さを思わせるものしかなかったのだ。
しかし、ここでロディのやったこと。
それは、唇の端っこをちょっと横にずらして持ち上げるというスタイルだった。
そう、なんとも嘲笑的な表情なのである。これは、ロディにはぴったりはまった。
しかも、そうすることで口の開け方が完全ではなくなり、音をこもらせる効果まで出たのである。
あまりにもシニカルなその表情とこもった歌声は、ポップなメロディを置き去りにして、この曲の真意を伝えることに成功していた。
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